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[コメント] 陸軍登戸研究所(2012/日)

3時間厭きない。風船爆弾の戦術・製造・実行など、今聞くとまるでファンタジーだ。どの証言者もみな明るく誇らしげですらある。彼や彼女たちにとって、この体験が戦地ではなく内地での、すなわち衣食住の延長の日常としての青春時代の思い出だからだろう。
ぽんしゅう

誤解を恐れずに書けば、ここに登場する「その時代」の少年少女たちは、意図せざる無邪気な「あの時代」の共謀者だったのだ。もちろん彼らに非などない。

貴重な証言を集めたこの労作から戦争の悲惨さは伝わってこない。そのことが作者の意図に適っているのかは疑問だ。しかし、時としてカメラが写してしまった事実が作者の思いを裏切るもこともある。本作はまさに、そんなドキュメンタリーの醍醐味を実証している。

(評価:★4)

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