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[コメント] アデル、ブルーは熱い色(2013/仏=ベルギー=スペイン)

3時間、殆どのショットはアデルを捕える。学校生活、食事風景、デモ、寝姿、パーティー、会話、そしてSEX。私たちは執拗にアップや長回しで「アデル」を見せられ続ける。この映画をカタチ作るのは物語や演技者ではなく、愚鈍なまでに実直な彼女の生理そのもの。
ぽんしゅう

涼しい目をしたレア・セイドゥーの凛としたたたずまいと、人間臭い重たさを漂わせるアデル・エグザルコプロスのリアルな存在感。これは芝居ではなく、2人の生理から発散されるものだろう。アブデラティフ・ケシシュの「見ること」に徹した豪腕写実映画。

カンヌの映画祭で審査委員長のS・スピルバーグが監督のケシシュとともに、2人の女優にパルムドール(最高賞)を授与した意味がよく分かる。それは演技ではなく、映画に生身をささげた「貢献」に対する賞賛ということだろう。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (5 人)pori moot 3819695[*] 袋のうさぎ けにろん[*]

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