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[コメント] ゼンタイ(2013/日)

どの逸話の登場人物たちも行動しない。行動するまえに手前勝手な、あるいは自己防衛的な理屈を並べたてるだけだ。ゼンタイたちは違う。彼らは姿を隠しながらも行動し連帯の可能性を探り確かめ合う。この両極の「あいだ」は、どこへいってしまったのだろうか。
ぽんしゅう

それとも、そんな「あいだ」など、はじめから存在しなかったのだろうか、

社会はきっと、いつの間にか誰も気づかぬうちに、必要以上に「言葉」に侵されてしまったのだ。無責任で不寛容な「言葉」が意味や意思を駆逐して、いつの間にか私たちは、空疎な「言葉」が幅を利かせる居心地の悪い社会に放り込まれてしまったのだ。そこは、エゴまみれの妄言がいっぱしの理論のような顔をしてまかり通る屁理屈社会だ。どうりで生きづらいわけだ。

「私、変態さんが好きです。変態さんは自分の欲望に真っ直ぐで嘘がないから」・・・作中で誰かが口にした台詞だ。実に含蓄に富んだ「言葉」だ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)jollyjoker ペペロンチーノ[*]

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