[コメント] お嬢さん(2016/韓国)
日本へのおもねりが凝縮した醜悪美に彩られた奇妙な館。エセ日本人の財産を狙うニセ日本人。交わされる怪しげな日本語による偽りの恋愛劇と、朝鮮語による真の愛憎劇。そんな「偽もの」の坩堝からの飛翔は、思いの純度が高いぶん鮮やかさを増し先行きの不安を払拭する。
しなやかで気負いのない官能描写が瑞々しくエロチックだ。いまだにロマンポルノの呪縛が解けない日本映画界は、この颯爽とした“脱男目線”を見習うべきだと思う。
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