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[コメント] 3泊4日、5時の鐘(2014/日=タイ)

小旅行の昂揚感のなか、何気ない会話や行動がチクチクと刺激し合う棘となって互いに苛立ち始める女たち。隠しきれない欲望が滲み出し、ついに感情が弾け飛び、本音がカタチとなって表出する。そんな生々しくも激しい心の動きが苦い笑いとともに淡々と描かれる。
ぽんしゅう

ホン・サンスを思わせる飄々とした語り口で、意地の悪さはウディ・アレンを彷彿とさせる。しかし、登場人物たちの間に流れるのは「思いを察する」「空気を読む」「阿吽を合わせる」といった典型的な日本人の対人対処法だ。そのズレが生むギャップを楽しむ三澤拓哉という作家の感性は、自ら映画の冒頭で小津安二郎にオマージュを表しているように、あくまでも日本的オリジナル性に根差している。また、楽しみな新人監督が登場した。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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