[コメント] blank13(2017/日)
情に流されず丁寧かつ的確な斎藤工の演出。奇をてらわず控えめな西条みつとし脚本と金子ノブアキの音楽も映画界の新たな希望。安手のお涙ものに陥ることなく、葬儀を義務でこなす息子らの胸中に本人たちも戸惑う“心の隙間”をあぶり出す手腕は見事。
話調の転機となる、葬儀出席者のデフォルメされたいでたちの視覚容量と、控えめでいながら印象的なひとり語りの時間容量のバランス感覚が新鮮だ。それだけに佐藤二朗のワンパターンの饒舌芝居だけが過剰で鼻についた。佐藤の暴走を止め(られ)なかったのは斎藤工の宿題として、次回作がとても楽しみ。
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