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[コメント] カメラを止めるな!(2017/日)

何を書いても勘の良い人にはネタバレしてしまいそうでコメントできない!といった危うい構造をした豪胆にしてデリケートな映画。映画づくりのマネごと経験者には“あるある感”満載。役者の皆さまも裏方さんも、全員お疲れ様でした。とりあえずは面白かったです。
ぽんしゅう

まず、出演者が無名(失礼)の役者さんだったのがよかったですね。偶然、学校の文化祭で観たら意外に爆笑だった、みたいな。きっと10年前の「会いに行けたAKB」もこんな感じだったのでは。キャリアのある俳優さんが、これをやったら三谷幸喜作品みたいなスノッブ感が出て“お約束”な喜劇になっていたでしょうね。

あと編集(監督が担当)が生み出す疾走感が素晴らしい。因果関係が引き起こすギャップを瞬時にパワーに変換し、あくまでもアクションとしての「笑い」で“見せる”という徹底した愚直さがいいです。理屈を「言葉」ではなく「動き」に昇華してしまうのは、まさにアクション映画。編集(映画)の特権です。

私は100席に満たない小館(都内2館のみで上映中)で観たのですが、1日3回のみの上映とはいえ平日にもかかわらず全回満席。SNSか何かで拡散しているのでしょうか。そのうち「新人監督の無名キャスト映画が超話題!!」なんてテレビで取り上げらるのでは。この映画、観終わったら必ず見直したくなる映画なので、火がついたら増々リピータが増えて思わぬヒットになる予感がします。

でも、このネタは二度は使えないので上田慎一郎監督にとっては、自分で首絞めた感があって、嬉しいけどきついデビュー作になったかも。次回作でころっと路線が変わっても、同情することはあっても怒らないことにします。

(2018年7月6日記)

(評価:★4)

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