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[コメント] 12か月の未来図(2017/仏)

お堅いベテラン教師だって、同僚女性に下心まるだしで“あわよくば”と、淡い期待をいだくのだ。それは「レ・ミゼラブル」を高尚な文学ではなく、下世話なゴシップ物語として楽しむのと一緒じゃないか、という人間らしさを肯定することが「教育」だという話し。
ぽんしゅう

この外国人労働者の子供たちにとって“教育”が大切なのは、それがエリート校の生徒たちのように成果を得るための「手段」だからではない。彼らにとって世の中を知ろうとする“好奇心”こそが、経済格差のもとで人間らしく楽しく生きていくための「活力」の供給源にほかならないからだ。

描かれる教師と生徒の物語が類似の映画にありがちな、ことさら“感動”を煽って(模範を示唆するような)公式を唱えることを巧妙に避けるのは、人間らしさを肯定するためには作為の“感動”など意味がないこと知っているからだろう。

対峙する教師となかなか目を合わせようとしないセドゥ少年の「とまどい」と「はにかみ」に、彼の“素直”さを見い出すだけで充分なのだ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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