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[コメント] ロケットマン(2019/英)

この映画、そうとうヤバイ精神状態の男が描かれているのに、悲壮感が“可笑しみ”へ転嫁して思わず笑ってしまいます。それはエルトンの生きざまそのもので、ロックンロールと出会いさえしなければ、この天才音楽家は“太った道化師”にならずに済んだのでしょう。
ぽんしゅう

初めてエルトン・ジョンを聴いたのは中学生のときだった。大阪・梅田の映画館で観た『フレンズ ポールとミッシェル』(1970)というフランスを舞台にした映画でだった。当時、エルトンが歌うテーマ曲は大ヒットし、ラジオのリクエスト番組の定番だった。とりわけ熱心なファンではなかったが、私もLPレコードを持っていてよく聴いていた。

初めて“動く”本人をみたのは『Tommy トミー』(1975年)というミュージカル映画だった。映画自体はたいして面白いとは思わなかったが、エルトンの登場場面だけは、映像面でも音楽面でも他を圧倒していたという記憶がある。そのころから、あの“奇抜なファッション”が始まりどんどんエスカレートしていったと思う。決してハンサムと言えない容姿とあいまって、それはカッコいいとはほど遠く「滑稽」にみえた。

去年(2018)の正月、久しぶりにスクリーンでエルトン・ジョンをみた。『キングスマン:ゴールデン・サークル』というスパイ・コメディで老体に鞭打ちながら、相かわらず下品なギャグをとばして人質役をいささか不器用に演じていた。そして今年、18世紀、イギリスのアン女王を題材した映画『女王陛下のお気にいり』のエンディングで「スカイライン・ピジョン」という曲が流れた。私の大好きな曲だ。不意を突かれた私は涙を流してしまった。

今もCDを2枚持っている。いまだに熱心なファンではないが大好きな人だ。

(評価:★4)

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