コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 血は太陽よりも赤い(1966/日)

青年(大塚和彦)は、膠着した学校制度から飛び出した英雄もまた、さらに大きな体制に組み込まれ、不実な社会の裏システムを回す歯車として飼いならされるさまを目の当たりにし、この世界を全否定する。足立正生の反体制アジテーションは純粋にして十分狂暴。
ぽんしゅう

同時代の『すべてが狂ってる』(鈴木清順)に代表される大人社会の腐敗告発のコンテクストを借りながら、本作の青年は生身の短刀という武器を手に朝焼けのなか旅立つのだ。60年代の若松映画の若者に明日は見えていないが、すべてを抹消した跡に必ず明日が存在すると信じている。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。