[コメント] レニ(1993/英=独=仏=ベルギー)
根っからの表現者なのだろう。レニの言葉を信じれば、彼女が生きる世界に「政治」という概念は存在しない。彼女のなかにファシズム性を見出そうとする人々は、美しさを正当に賛美し、唯一無比の美を自らの手でこの世に生み出す彼女の才能に嫉妬しているのだと思う。
確かに凡人にはレニ・リーフェンシュタールがファシストに見えるかもしれない。純粋に美しいと自らが納得できる創造物を生み出すためには、美に属さないすべての「その他」を排除する冷徹な意思が必要だから。
一点に向けて突き進む美の「独裁」者。凡人はその才能に嫉妬する。
・・・・・・・・・・・・・
作中で女優としてのレニの人気を確立したアーノルト・ファンクの山岳映画群が紹介される。ファンクの見事な雲海シーンはオリヴィエ・アサイヤス監督の『アクトレス 〜女たちの舞台〜』(2014)でも重要な隠喩として流用されたいた。機会があればぜひスクリーンで見てみたい映画群です。
それと『意志の勝利』は製作から70年近くを経て2000年代になって、やっと日本で上映されたと記憶しています。今更ながらに、この機会を逃して未見なのが残念です。いつかどこかで再映されることを切に願っています。ああ、観てみたい!!
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。