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★3 | 悲夢(2008/韓国=日) | とめどない無意識の欲望が、相手の限りない絶望を生むという意地悪く抜き差しならぬスリリングさに期待が高まるも、そんな状況をいささか持て余しぎみで、話は男と女の我慢比べに終始して何ら新たな展開をみず、ついに蝶の飛翔ではやはりセンチメンタルに過ぎる。 | セント | [投票(1)] |
★4 | 妻は告白する(1961/日) | 彩子の愛をまともに受けとめられる男などこの世に存在しない。増村保造は若尾文子という稀代の憑依女優を使って魅惑のモンスターをつくりだすという荒業で愛憎の極みを描いてみせる。どんな男も彩子に憧れ魅了されるが決して近づくことはできない。 | りかちゅ, 天河屋, エピキュリアン, ボイス母 | [投票(4)] |
★3 | 東京裁判(1983/日) | ある種の冷静さを保とうとする努力が随所に見られる労作で、東京裁判大全集としてこうゆう映画はあってよいと思う。ただ、どんな教科書も必ずそうであるように、賛意や非難を巧妙にさけて作られた、人の感情とは逆のベクトルの創作物は退屈にならざるを得ない。 | 赤い戦車, けにろん | [投票(2)] |
★5 | ディア・ドクター(2009/日) | 精緻に組み立てられた脚本と、力みや強引さを感じさせない滑らかな語り口。観客に何を見せれば、カメラに写らないものまでもが伝わるかという取捨選択の巧みさ。愛嬌があって、どこか悲しげな中年男笑福亭鶴瓶の実存感もまた、この真摯な虚構話しを補強する。 [review] | chokobo, おーい粗茶, けにろん, セント | [投票(4)] |
★3 | シュート!(1994/日) | SMAPファンでもないのに、彼らに彼ら以上の何かを期待したり、「さまよえる映画監督大森一樹」がアイドル映画の新境地を切り開くかなどと、無いものねだりをしなければ、そんなに腹も立たぬであろうに。水野美紀のピンクの疾走、可愛いじゃないですか。 [review] | 代参の男 | [投票(1)] |
★5 | 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け(1976/日) | 話の筋立て(脚本)の妙味に加えて、太地喜和子のあっけらかんとした感情の振幅と宇野重吉の不良ジジイぶり、そして渥美清のノリの良さが絶妙のまわいを生み出す。人情喜劇かくあるべし! | 牛乳瓶, チー, 白いドア, これで最後ほか11 名 | [投票(11)] |
★4 | 湖のほとりで(2007/伊) | 少女失踪から事件発覚までの物語への吸引力。一転、背景を占める大自然の清らかさと、淡々と明かされる重苦しい人間関係のコントラスト。激しい展開と奇をてらった効果音ばかりのミステリーのなか、新人監督アンドレア・モライヨーリが創り出すリズムが心地よい。 | セント | [投票(1)] |
★4 | イントゥ・ザ・ワイルド(2007/米) | 一見、クリスは絶望から希望へと向かっているように見えて、実は精神的に常に一人であるという点で、自身も気づかぬうちにより深い絶望へと突き進んでいる。無自覚に大自然を希求するという行為は死への逃避であり、それに気づかない鈍感こそが人間のエゴなのだ。 [review] | 緑雨, MM, 牛乳瓶 | [投票(3)] |
★2 | 戦争と人間 第2部・愛と悲しみの山河(1971/日) | 北大路・佐久間に始まって、山本・吉永、浅丘・高橋(英)、さらには地井までも、「戦争」そっちのけで、男と女のもつれ話に終始する日本映画史上に類を見ない長大なメロドラマ。キスで眉間にしわを寄せる吉永のしかめっ面は、どうにかならなかったのか。
| けにろん | [投票(1)] |
★3 | おとうと(1960/日) | 姉が抱き、弟が感じた愛のようなも。少女から娘へと成長する姉自信にも、母性愛・兄弟愛・異性愛の境界は見えていない。鷹揚な父親と教条的な継母の空虚で形式的な家庭で、思春期の姉弟が紡ぎ出すプラトニックな愛情にクールなエロティシズムが漂う。 | 水那岐, 牛乳瓶, worianne, ボイス母 | [投票(4)] |
★5 | カミュなんて知らない(2005/日) | 確かに人の心の深淵には己も気づかぬ得体の知れない衝動が潜んでいるもので、常識や規範に封印されたその非合理的衝動は、ある状況や思いが飽和点に達したときに誰にも解せぬ行動として日常の中に立ち現れる。心の不可視的深層に共振する軽やかだが不気味な映画だ。 [review] | chokobo, ちわわ, くたー, ガリガリ博士ほか5 名 | [投票(5)] |
★4 | 銀嶺の果て(1947/日) | 見え見えのパターンを志村、三船、河野の好演が救う。谷口千吉監督だから黒澤の濃い脚本も臭くならずにすんだ。ちょっとイイ作品。 | けにろん, づん, おーい粗茶 | [投票(3)] |
★2 | 私がクマにキレた理由〈わけ〉(2007/米) | 全てにおいて無難な内容で、安心して観ていられるとういう感想は、この手の軽量喜劇には誉め言葉かもしれないが、ことスカーレット・ヨハンソンに限っては当てはまらない。ある程度の破綻覚悟でなければ、彼女の魅力は引き出せず、ただの胸の大きな女の子でしかない。 | セント | [投票(1)] |
★4 | わたしのグランパ(2003/日) | 筒井、東、菅原の爺さんトリオの説教になるのかと思いきや、頑固さひかえめでさらりと仕上がったのはキャリアの勝利。ふりむけば山口百恵、時をかければ原田知世を彷彿とさせる石原さとみの今後に、おじさんの期待は高まるのであります。 | 死ぬまでシネマ, tkcrows, ことは, 水那岐 | [投票(4)] |
★3 | チーム・バチスタの栄光(2008/日) | チームの所業は医学的にも倫理的にもかなりきわどい話しであり、その破綻は人間的にも社会的に極めて深刻な話しであるはずなのに、どうしてこうまで観客におもねり、毒を薄めてしまう必要があるのだろう。製作者たちが、娯楽映画の意味を勘違いしている節がある。 | りかちゅ, ぐ〜たらだんな, シーチキン | [投票(3)] |
★4 | あいつと私(1961/日) | いかにも当時の日活らしい5人の女子大生の口先だけの性解放や、左右両方から反発があったであろう安保闘争の扱いや進歩的婦人轟夕起子への賛美が今となっては微笑ましい。セリフが少なく目だなないがクリスチャン女子大生高田敏江の存在が効いている。 [review] | 青山実花 | [投票(1)] |
★4 | 夢見通りの人々(1989/日) | ベースを構成するネイティブな大阪的粘り気に対する、小倉久寛、大地康雄、原田芳雄が持つ反大阪的歯切れよさ。その絶妙の配合具合こそが、本作が感情過多に陥ることなく心地よい人情喜劇として成立している理由。松竹京都と大船を知る森崎東のバランス感覚か。 | けにろん | [投票(1)] |
★3 | ディボース・ショウ(2003/米) | 筋立ては30年代喜劇の伝統を踏襲し、キャラクターと伏線は60〜70年代的バラエティ感覚でふくらませ、映像の組み立てはまさに今風で、話しがお約束正統派エンディングへ向かいそうでいながら、どんでん返しの予感も漂わせ、心地よい緊張と笑いを生む変なコメディ。 | ダリア | [投票(1)] |
★2 | 団地妻を縛る(1980/日) | 日野繭子を観たくて映画館まで行ったのに、他の知らない女優さんが団地の奥さんになってただ縛られるだけで何も起こらない。退屈で暇つぶしにもならなかった。 | 犬 | [投票(1)] |
★4 | 暴れ豪右衛門(1966/日) | 滑稽に見えるほどの豪右衛門(三船敏郎)の野蛮一直線ぶりが実に潔く心地よい。豪放磊落ぶりの裏に潜む権威不信の根深さに、良し悪しは別に理屈を越えた暴力革命パワーの原点が見える。地響きとどろく軍馬シーンの力強さも黒澤明に勝るとも劣らない。 | づん | [投票(1)] |