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ぽんしゅうさんの人気コメント: 更新順(118/149)

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★4華麗なる一族(1974/日)佐分利信がかもし出す本能的で強引な覇権欲と、極めて私的な怨念が入り混じったグロテスクさは圧巻で、政官財界を支配するのは、実は「恨み」なのではないかとすら思えてくる。いささかテレビ的な作りが、かえって話しの牽引力になっているのも計算のうちか。TOMIMORI[投票(1)]
★5フリック(2004/日)あまたの猟奇ミステリーがシナリオを練り高度な演出を駆使しながら、最後には猟奇性を現実の中の特異なものとして位置付けてしまうのに対して、本作は現実の中に真実を迷い込ませることで猟奇よりも恐ろしい猜疑という心の弱さの不気味さを描ききっている。林田乃丞, スパルタのキツネ[投票(2)]
★4座頭市の歌が聞える(1966/日)宮川一夫の撮影に尽きる。冒頭、ススキ野での殺陣の逆光ショットの美しさで、もう目は釘付け。橋上の影絵を模した様式美などため息が出る。その一部の隙もない画が、全て役者の芝居を的確に活かすことを目的に作り込まれているところに宮川の凄さがある。sawa:38, ジェリー[投票(2)]
★3シンデレラ(1950/米)妖精がカボチャで馬車を仕立て動物達を次々とシンデレラの従者に代えていくシーンの、驚きが歓びに代わり、そしてひと時の夢が実現していく描写の昂揚感がすばらしい。『となりのトトロ』の、あの名シーンの元ネタに違いない、と勝手に決めた。 [review]きわ[投票(1)]
★3レイクサイドマーダーケース(2004/日)動的にも静的にも人物のからみも映画的ケレンも中途半端で、娯楽サスペンスとしては退屈で心理劇としても淡白。いずれにしろ、プチ成功者の心中に連綿と受け継がれる名門と伝統に対するコンプレックスという負の連鎖がもっと見えないとこの話しは怖くない。おーい粗茶[投票(1)]
★2座頭市逆手斬り(1965/日)勝新・座頭市の魅力とは、ひと時代前の大立ち回りのような静と動の反復が見せる移動の美にあるのではなく、盲目というハンディが生む一瞬の静から動への居合いの瞬発力にあるのであり、穴だらけで出たら目な脚本とともに森一生の勘違いの罪は重い。sawa:38, 水那岐[投票(2)]
★3いつも心に太陽を(1967/英)シドニー・ポワチエの新米教師に好感が待てるのは、反逆が時代を進歩させるための有効な手段であることと、その反逆は子供の純な心と大人としての礼節をもって行われたときに社会に受け入れられるということを身をもって体験しているところにある。カレルレン, 水那岐[投票(2)]
★4リアリズムの宿(2003/日)10代で卒業するはずの「分かり合いたい症候群」がいい大人にまで蔓延する風潮の中、山下敦弘監督は人と人の間には見えない壁が当然あることを描いて見せる。主人公達のやりとりも世間との距離も、デフォルメはされているが私には至ってまともに見える。林田乃丞, セント, 町田, けにろんほか6 名[投票(6)]
★5ヒトラー 最期の12日間(2004/独=伊=オーストリア)未来を見据え、かつ現実を見つめながら人々を導くことが政治家の責務だとしたら、12日の間ヒトラーには何が見えていたのだろう。彼の最期の12日間とは、全てのドイツ国民にとって未来どころか、「今」すら見えない停止した時間だったはずだ。 [review]おーい粗茶, SUM, sawa:38, セントほか5 名[投票(5)]
★4電車男(2005/日)オタクを庇護すべき幼児に、匿名者を自信喪失の大人たちに置きかえることで負け組み弱者連合による勝ち組みに対するプチ爽やかな庶民的カタルシスを演出し、古典的恋愛話しに同時代性を持たせることに成功した佳作。即製企画としてはかなりの大健闘。デナ, sawa:38, セント[投票(3)]
★3さよならみどりちゃん(2004/日)とり得がないのはまだしも、主体性のない人の恋ほど始末の悪いものはない。一度身体を合わせただけで、溶けてとろけてしまった筋金入りの恋愛障害者の女が、男のゴツゴツした肉体を生身で感じることの意味をどの程度理解できたのか誠に心もとないのであります。 [review]わっこ, IN4MATION[投票(2)]
★5トニー滝谷(2005/日)村上春樹の研ぎ澄まされた言葉の音列が西島秀俊の朴訥とした語りで意味を失う寸前に、現れ・流れ・消えていく幻視のような情景の中へ坂本龍一の奏でるピアノの一音一音によって打ち込まれて行く。市川準が組み立てた孤独の実写映画。 [review]TOMIMORI, sawa:38, まー, ペペロンチーノほか10 名[投票(10)]
★4男はつらいよ 拝啓車寅次郎様(1994/日)寅からバトンを託された吉岡秀隆山田雅人牧瀬里穂らが友情と恋心の狭間を右往左往する様子が初々しい。満男を諭す寅次郎の言葉に、年輪を重ねた風格と優しさが溢れ思わず目頭が熱くなる。渥美大寅・吉岡小寅シリーズの完成型。 Santa Monica, けにろん[投票(2)]
★3かえるのうた(2005/日)たとえば井口奈己の『犬猫』での二人の女の関係がある種、女の普遍な距離なら、朱美(向夏)とキョウコ(平沢里菜子)の間にある近いのか遠いのか本人達にも定かではない距離は、平成の若者が互いに感じている今という時代を反映した距離なのだろう。 [review]ナッシュ13[投票(1)]
★3埋もれ木(2005/日)日常の中の距離。それは忽然と現れる遥かなる過去の痕跡や、年に一度おとずれる時間という距離であり、見知らぬ世界から現れた異物が暗示する未知との距離。そして母と息子の間に存在する空間という距離である。その距離の体感こそが日常のファンタジーなのだ。 [review]TOMIMORI, ina, ガリガリ博士, セントほか5 名[投票(5)]
★5(秘)色情めす市場(1974/日)幻影でしかないが確かに存在するはずの父を、手配写真の殺人犯に重ねてトメ(芹明香)の欠落感が浮遊する。「ゴム人形」と「ニワトリ」の交わりは、人であることの確認行為でもあり放棄でもあるのだ。ニワトリとともに飛翔を挑むサネオの通天閣シーンは圧巻。, ボイス母[投票(2)]
★2座頭市千両首(1964/日)座頭市の存在が話を進めるためのコマでしかなく、で語は一見複雑に見えて実は杜撰なただの定番悪代官もの。島田正吾の大仰芝居でキモとなるべき忠治も機能せず敵役城健三朗も取ってつけたような白々しさ。斎藤一郎の音楽がシラケに拍車をかける。sawa:38[投票(1)]
★5バリー・リンドン(1975/米)目に映った光景とその感動を記憶にとどめるために人間が用いた最も古い手段が絵画だとしたら、人にはそれを動かしたいという願望が常につきまとうのかも知れない。キューブリックはバリーの人生にまず絵画としての光と影を与え、そして次に動きを与えた。chokobo, スパルタのキツネ, セント[投票(3)]
★3(ハル)(1996/日)モニター上の文字をスクリーン上の字幕に置き換えたのが正解。メッセージ画面そのものに人を感じさ、ぎりぎりの線で他のシーンとの調和を保つ。キーボードを打つ(きく)とモニターのカットバックなんてあったら、最低のオタク話になっていたことでしょう。おーい粗茶, マッツァ[投票(2)]
★3座頭市兇状旅(1963/日)かつて惚れた女万里昌代の変遷を知り、息子を亡くした老母村瀬幸子の諦観と気丈さを前に、昔の縄張りにこだわり続ける今は堅気の親爺に「過去は捨てろ」と市は言う。過去とは廃屋。過去を振り切るように踊る市。乾いた夏を切り取る流麗なカメラが印象的。 sawa:38[投票(1)]