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★4 | ソウ SAW(2004/米) | 密室の濃厚な二人芝居かと思いきや、徐々に話はほど良い距離で空間的に広がり、心地良い錯覚をともなった時間的展開を見せる。その映画的な間わいのとり方が実に巧みで飽きさせない。何よりも犯行の意義に、ネガティブながら説得力と実感がある。 | わっこ, Myurakz, 甘崎庵 | [投票(3)] |
★3 | インサイド・マン(2006/米) | 毎度お馴染みのマンハッタンの街並みから一気に銀行内部へと突入し、警察を巻き込みながらグングン進む話のテンポが実に小気味良い。これもまた最近のアメリカ映画定番の人種ネタも乾いた皮肉が利いていて苦笑を誘います。ちょっと小粋な犯罪映画の佳作でした。 [review] | 浅草12階の幽霊 | [投票(1)] |
★3 | 光る女(1987/日) | 純愛を人間の内へ内へと突き詰めていくと、人が人として持つ生きものとしての力へと行き着くのかもしれない。だから、仙作(武藤敬司)の持つ生きものとしての純度の高さだけが、都市という虚飾の中に埋没した芳乃(秋吉満ちる)を蘇生させ得るのだ。 | けにろん | [投票(1)] |
★5 | 真夜中のカーボーイ(1969/米) | 日常の断片ショットは社会との、回想ショットは心の枷との、二人の客観ショットは希望との距離。三つの距離が軽快にモンタージュされながら、テキサス、ニューヨーク、マイアミという距離を移動する。なのにリコは最も離れた世界へ去る。縮まらぬ距離、孤独。 | おーい粗茶, terracotta, ナム太郎, poNchi | [投票(4)] |
★4 | 帰って来たヨッパライ(1968/日) | ノンポリ大学生が福岡、韓国、ベトナムとひとめぐりし学んだことは誤魔化しながら生き延びるすべ。韓国人と化した日本人に国のために死ねとピストル突きつける韓国人。誤魔化しのスパイラルは、顔半分引きつらせながら永遠の矛盾としてトンネルの中へと続く。 | 水那岐, ボイス母 | [投票(2)] |
★4 | 秘剣(1963/日) | 市川染五朗と長門裕之の若さという魅力をフル活用して、一途な武士道オタクと、お坊ちゃん優等生の突っ走りと苦悩を活き活きと映画の中に取り込む稲垣浩のセンスの良さ。右往左往する狡猾老人たちも面白い。女優に魅力が足りないのがちょっと残念。 | TOMIMORI | [投票(1)] |
★1 | 13階段(2002/日) | 感情を徹底的に排除した法制度の行き着く先に、感情の権化である死刑が存在するという人間と社会の存在自体に関わる問題を大上段に振りかざしておきながら、その舌の根も乾かぬうちに、ことの核心に背を向けてとっとと逃走する卑怯さは噴飯もの。 [review] | Myurakz | [投票(1)] |
★4 | アニー・ホール(1977/米) | 政治の時代であった50・60年代を経て75年ベトナム戦争終結。目標喪失状況の中で空回りしつつ、苦笑いするしかなかったインテリ・ニューヨーカー達の気分とウディ・アレンの作風が同期し、普遍性の域まで達した“時代”が生んだ映画。 | 甘崎庵, あき♪, けにろん, マッツァ | [投票(4)] |
★2 | 霧笛が俺を呼んでいる(1960/日) | 世間が言うほど赤木に華はなく、吉永の大根ぶりはすでにデビュー当初に露見していたという発見以外に意義を見いだすとすれば、さりげなく社会悪を意識する熊井啓脚本と、徹底的に奥行きにこだわる姫田真佐久カメラマンに職人の心意気を感じるぐらい。 | おーい粗茶 | [投票(1)] |
★2 | SURVIVE STYLE5+(2004/日) | 意味を感じない。もちろん意味のない映画があってもかまわないが、作者たち自身が映画を作ることに意味を見出していないのが悲しい。大きなお世話かもしれないが多田琢も関口現も別に映画が好きではないのだろう。映画好きには、すぐ分かる。 | わっこ, tkcrows, セント | [投票(3)] |
★4 | 驟雨(1956/日) | 単調になりがちな会話劇に繊細な視線と、短くも大胆なエピソードを巧みに挟みこむことで、一気に映画的リズムを確立し物語に引き込んでいく構成と演出が見事。後は心の中でニヤニヤ苦笑しながら、彼らが繰り広げる痴話喧嘩的煩わしさを楽しめば良い。 | 直人 | [投票(1)] |
★2 | 鳶がクルリと(2005/日) | 丸山昇一の脚本はオーソドックスな人情噺になっているにも係わらず、薗田賢次は人の情の機微などそっちのけで見た目の画づら(それも、弛緩しきっている)にしか関心がないのだから面白いはずがない。著作権フリーの効果音みたいなお粗末な音楽も最低。 [review] | tkcrows | [投票(1)] |
★2 | ハッカビーズ(2004/米) | 今という時代を反映した痕跡もなく、といって普遍に言及するわけでもない通り一遍の哲学問答がアホらしくなるほど薄っぺらで、どこまでマジで、どこからがジョークのつもりなのかサッパリ分かりません。想像力も演出力も欠落した幼稚な視覚効果も気恥ずかしい。 | セント, わっこ | [投票(2)] |
★4 | 妻(1953/日) | 愛情が己より相手を「より想う」ことで成立するとするならば、底意地の悪さを感じるほど「己」がむき出しにされた中川(上原謙)と妻(高峰三枝子)の関係のどこに愛が蘇る余地があろうか。日常のしぐさと生活音がこんなに不快と不毛を掻きたてるとは。 | TOMIMORI | [投票(1)] |
★3 | CUBE(1997/カナダ) | 着想は抜群に面白いが、展開が実にありきたり。低予算を逆手にとって果敢にハッタリに挑む心意気は大いに買うも、もうちょっと心理描写や人間関係に気を配らねばハリウッドの鼻をあかすほどの驚きや感動は生まれません。せっかくのアイディアがもったいない。 [review] | くたー, tkcrows | [投票(2)] |
★4 | コーヒー&シガレッツ(2003/米=日=伊) | 隣り合わせた席から聞こえてくる会話を耳にし、その関係に想像をめぐらせ、互いのリアクションを横目で眺めては憶測を膨らませる密かな快感。言葉と間だけに支配された「今」という時間と空間から垣間見える切り離された過去と未来というのは実に映画的だ。
| ナム太郎 | [投票(1)] |
★3 | 昨日・今日・明日(1963/伊) | 一話目は半端なミュージカル映画みたいでベタベタ感が鼻につき、二話目もできそこないのヌーベルバーグ映画みたいで唐突間だけが残る。三話目がちょっとお洒落かな。まあ話の中身など気にせず、あんぐり大口開けてソフィア・ローレンを鑑賞する映画。 | 直人 | [投票(1)] |
★3 | 炎と女(1967/日) | 典型的な60年代アバンギャルド映画の中にありながら、吉田喜重流の知性と上品さが漂う良作。しかし、その品の良さが主題との間に一枚バリアを作ってしまい、情念がストレートに伝わってこないところにもどかしさを感じる。 | 直人 | [投票(1)] |
★5 | 十九歳の地図(1979/日) | 十九歳の時、希望にときめく者もあれば、人生の奈落を垣間見て不安に慄く者もいる。紺野とマリアが、明日の自分かもしれないという焦燥を、矮小な生活者たちをさらに小さな地図に閉じ込めるということでしか紛らわすことができない吉岡の蟻地獄。
[review] | 新人王赤星, sawa:38, 水那岐 | [投票(3)] |
★3 | 天国の本屋〜恋火(2004/日) | 「天だろうが地だろうが、ひっくるめて私がめんどう見るわョ!」の竹内結子の独壇場に、野郎どもが押されっぱなしで生きるの死ぬのや恋愛ざたなど話しの隅へと追いやられ、客としては大口広げて唖然と彼女を眺めるだけの映画。上手いんですけどね・・・。 | わっこ, tkcrows | [投票(2)] |