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★2 | カラマリ・ユニオン(1985/フィンランド) | 15人の素直(Frank)という名前を持つ男達は一人の人間の心の象徴で、決心のすえ理想郷を目指すも素直とはすなわち何も考えないということで、いっこうに前へ進めないという悲喜劇?。撮影がいいから観られるが、ベースは素人映画レベルのアイディア。 | 鷂, jollyjoker, 町田 | [投票(3)] |
★3 | 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を(2009/香港=仏) | 話しの綾としては分るのだが、記憶喪失などというギミックを持ち込んだため展開が辛気臭くなり、『エグザイル 絆』にあったバカバカしいまでの一途な銃撃の純度が失せ、今回は子供のピストルごっこの域に止まる。お好み銃撃シーンがきっと見つかるカタログ映画。 | KEI, 赤い戦車 | [投票(2)] |
★3 | 淵に立つ(2016/日=仏) | 例え歪であろうと「調和」は調和だが、歪さの種が調和を浸食する前半のスリル。調和喪失後の負の「均衡」が、多層化された「罪」によって再び蝕まれる後半の残酷。起承転結ではなく、状況を捉え物語を紡ぐ深田晃司ならではのサスペンスは容赦なく魂をえぐる。 [review] | 緑雨, 袋のうさぎ, 水那岐 | [投票(3)] |
★3 | ある過去の行方(2013/仏=伊=イラン) | 次々と「主役の座」を占める登場人物の、ひとり一人の事情と心情に説得力があり、ありがちな夫婦の破綻や愛憎の皮相から、真相を導き出すサスペンスの妙は圧巻。惜しいのは、混沌のなかに見る者を置き去りにした前二作に比べ納まるところに納まり過ぎた感あり。 | Myrath, 水那岐, セント | [投票(3)] |
★4 | 長江 愛の詩(2016/中国) | 空間と時間を巻き戻すようにたどる大河の遡上という題材は、それだけでミステリアスで映画的緊張に満ちている。さらにリー・ピンビンが描き出す極上の、人間、モノ(古びた船がこんなに美しいなんて!)、都市や街並、悠久の自然の“美”のなんと魅惑的なこと。 [review] | セント | [投票(1)] |
★4 | リバーズ・エッジ(2018/日) | 4:3の画面のなかに再現される1990年代前半の高校生たちの魂の不全。彼らは自分たちの非力さにも、やがて無防備なまま世紀末の荒れ野に放たれることにも、まだ気づいていない。が、彼らは虚ろな決意を呪文のように繰り返す。私たちは平坦な戦場を生きのびる、と。 [review] | 鷂, さなぎ, ペペロンチーノ, DSCH | [投票(4)] |
★4 | 地下室のメロディー(1963/仏=伊) | 冒頭30分の会話劇の溜めから、犯行手順の説明と同時進行で獲物が明かされぬまま話が転がり始め俄然目が離せなくなり、アラン・ドロンのアクションを経て時間が硬直したような最終盤の緊張へ。この静、動、静の構成を終始冷静なジャン・ギャバンの合理が司る妙。 | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | 二十四時間の情事(1959/仏) | 忘れることを悔い、思い出すことで痛む、前にも後ろにも進むことのできなくなった女(エマニュエル・リバ)と男(岡田英次)の逡巡。この明けない一夜の物語は、きっと永遠に続くことだろう。故郷を追われた女と、故郷を汚された男の意識せざる闇依存。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★4 | 愛の渇き(1967/日) | 作為ありありで違和感を扇動するカメラがエキサイティング。何もしてないのに浅丘ルリ子が名演にみえる。前作『愛と死の記録』も斬新だったが、ここに至り何が何でも“違うもの”を目指す40歳、蔵原惟繕渾身の前衛。確信犯的な日活への決別表明の感あり。
| けにろん | [投票(1)] |
★2 | 乳泉村の子(1991/中国=香港) | 帰国した残留孤児やその子供達が、言葉といわれなき差別の壁に苦しみ二重に故郷をなくしているという事実があるにもかかわらず、エリート高僧の一時帰国物語でお茶を濁してしまおうという横暴な記念企画。演出も平板で、栗原小巻の毎度の臭さにも辟易。 | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 野菊の墓(1981/日) | 清廉なれど、心もとない主演カップルの稚拙さをベテラン役者陣が脇から支え、情緒に流されることなく規律で“緩み”を排除する的確で過不足ない語り口が心地よい。まさに演出力の成果。東映澤井信一郎と大映森田富士郎の職人技と矜持ここにありの佳作。
[review] | ゑぎ, 寒山拾得, けにろん | [投票(3)] |
★3 | コンタクト(1997/米) | 科学と宗教は対立するものではなく“真実”の追求という目的の純粋さにおいて同根だ、というラブストーリー用の主張には手放しでの同意はしかねるが、日本はアメリカの忠実で有能な“下請け”でいて欲しい、という思わず出た不純なホンネには薄ら寒い説得力がある。 | 週一本 | [投票(1)] |
★3 | 犬猿(2017/日) | 図式的な兄弟・姉妹のキャラを上手くさばく中盤までは楽しくかつスリリング。本業のコントから江上敬子の芸達者は想像できたが、役柄同様オッパイだけが取り柄だった筧美和子も好演。確信的に“はずした”感の終盤の二転三転があまりにも空疎で台無しに。 | 水那岐 | [投票(1)] |
★3 | 彼奴を逃すな(1956/日) | これは音の映画だ。だから、ご都合最優先の展開や、登場人物達のつじつまの合わない行動などどうでも良いのだ。貨物列車の通過音、ラジオのノイズ、銃声、チンドン屋。今見ている映像と、全ての聞える音、そして聞えるはずの音が醸し出す緊張を楽しむ映画だ。 | AONI, tredair, ゑぎ | [投票(3)] |
★2 | 上海異人娼館 チャイナ・ドール(1981/日=仏) | 西欧の耽美的頽廃と東洋の土俗的淫靡というギャップにもとづく性的羞恥がエロティシズムを生むはずなのだが、フランス貴族が持つ気品と上海の地理的歴史に根付いたスケール感が決定的に欠けている。これでは世界中の誰が観ても起たないし濡れない。 | けにろん | [投票(1)] |
★3 | 女が眠る時(2016/日) | 演出に緊迫感はあるが、物語に緊張感がない。おそらく脚本が饒舌すぎて、見る側の想像が膨らまないからだろう。「不思議」は与える側が作るのではなく、見る側が空想するもの。主役(たけし)より正体不明のリリー・フランキーの方が魅力的なのがその証拠。 | 煽尼采 | [投票(1)] |
★3 | セッション(2014/米) | いつかどこかで見た話しが多少エキセントリックに語られるわけだが、教師の理不尽ぶりも所詮既視感があり、どうせなら主人公がもっとマゾヒスティックだったら新鮮味もでたろうに。音楽的魅力が皆無の曲芸まがいの色物芸が続く長尺クライマックスは正直眠かった。 | ぱーこ | [投票(1)] |
★4 | 夫婦(1953/日) | デパートの高みに登り子供のようにはしゃぐ未熟女と、自分の家を忘れて通り過ぎるような茫漠男が夫婦としての自覚を持って人生のスタートラインに着くまでの一瞬の迷い。他愛のないプロットながら、丹念な描きこみと杉葉子の無邪気な躍動感が素敵な佳作。 | 寒山拾得, セント | [投票(2)] |
★3 | シムソンズ(2006/日) | 別にTVドラマでいいじゃん的定型物語ながら、屈託なき少女達のストレートな心情と、潔いまでに何もない常呂町の情景と、闘争とは程遠いどこかマヌケさ感さえ漂うカーリングが体現する3大ほのぼのさのみで見る者を厭きさせない脱スポ根映画の佳作。 | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★5 | 花筐 HANAGATAMI(2017/日) | 全編を通して急き立てるように“音”が鳴り続け、変幻自在に再構築された“画”が少年少女の想いを増幅する。狂気と紙一重の無邪気さで、黄泉の気配のなか止めどなく噴出する青い生。生命力をもてあました亡霊たちの青春映画。そんな違和と矛盾が充満している。
[review] | ゑぎ, セント, けにろん | [投票(3)] |