[コメント] 姿三四郎(1943/日)
なんとも荒削りで豪快かつ闊達な中にまるで乙女のような純真さが滲んでいて、不安定ではあるけれども、デビュー作ですでに"黒澤"の基盤が出来上がっている!
道場での試合風景など、ところどころ作り物っぽさが全開な部分もあるけれど、黒澤明を知る上では欠かせない作品と思う。
惜しむらくは『白痴』同様、不完全な形でしか残っていないという事。あからさまなフィルムのぶつ切りに憤りすら感じます。しかしこの作品にはそんなハンデを物ともしない力強さがある。決闘シーンでの流れる雲や吹き荒ぶ風に、前途有望な青年の、シャシン(黒澤さんは映画をそう呼ぶ)に対する力強い情熱を感じる。溢れんばかりの歓喜すら伝わってくるようです。
衝撃のデビュー作とは思いますが、黒澤さんを知ってから改めて観る方が感慨深くて良いかも知れない。
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09.01.07記(08.12.31DVD鑑賞)
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