[コメント] エイリアンVSヴァネッサ・パラディ(2004/仏=独=英)
「橋の上の娘」から5年ぶりにスクリーンに登場したヴァネッサ嬢ですが、この作品を復帰作に持ってくるあたり、彼女のキティっぷりがうかがえます。私的にはこの作品はアリと言えばアリなんですが、そう簡単には人にオススメ出来る代物ではないという感じ。ジョニー・デップで表現すると「ラスベガスをやっつけろ」的な。彼は子どもが出来てから自分の出る作品選びの傾向が変わりましたが、ヴァネッサは見事、その真逆に位置する作品をチョイスしてきました。二人のベクトルは違えども、多分この映画を観たジョニー・デップは喜んだに違いないと思います。なんかそんな気がする。それくらいこの作品はちょっと特異なんですが、ただヴァネッサ嬢を堪能するという点から見れば充分満足の出来だと思います。要は彼女のプロモーション的映画だったかなーと(プロモーションにしたってヒドイと言えばヒドイんですけども)。
作品の中で、彼女は幾度となく歌を歌うのですが、やっぱり彼女はマイクを持たせておいた方が断然イイ!と思いました。決して美人だとか綺麗だという部類ではないし、ウィノナ・ライダーやケイト・モスが何故負けた!と憤怒すらしそうなほど(悪く言えば)貧相な女の子ってイメージなんですが、今の彼女からはある種勝ち組的な余裕のオーラが漂っていて、とても魅力的な女性に映っていました。セルジュ・ゲンズブールの最後のロリータと呼ばれていた頃の面影も手伝ってか、今の彼女はまさに負け知らずと言った雰囲気が漂っているし、そのおおらかで余裕な感じが今の彼女の最大の魅力かなと思いました。その余裕が歌にも良い作用を及ぼしているんだと思います。「Vanessa Paradis」では抑揚なく淡々と歌うところが彼女の魅力かなーとか思ってましたが、今作で歌う彼女はアグレッシヴでとても良いです。多分サントラの出来も良いのでは?と思います。
最後に映画としての評価なんですが、彼女の歌い方同様、作品自体もとてもアグレッシヴな映画でした。確かにB級なんだけれども、ものすごい気迫を感じるとでも言うのか、監督の意図するところが明確であり、やりたい事をやりたいように作った結果出来た映画という感じなんです。だからB級だろうがなんだろうが俺たちは作りたいものを作ったんだという気迫が逆にかっこよく見えました。
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06.06.13 記
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