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[コメント] ブラザーズ・グリム(2005/米=チェコ)

テリー・ギリアム×グリム童話」という面白そうな題材なだけに、期待も大きかった分、外れた時の口惜しさもまた大きい。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ロスト・イン・ラ・マンチャ』を観た後には『The Man Who Killed Don Quixote(ドン・キホーテを殺した男)』の完成を切望しつつ、とうとうテリー・ギリアムの新作が到着!しかもグリム童話をベースにしたファンタジーとなると、否が応でも期待は高まる。

結論から言うと、期待外れという事で。

グリム兄弟がペテンだったという設定は面白かった。フランス軍の冷酷さもある意味滑稽で良かった。冒頭での「魔法の豆」エピソードも良かった。何がダメって魔女にインパクトがない。あれでは恐怖の対象にはなりにくい。前フリの、兄弟演出ヤラセ騒動の方がよほど怖くてドキドキする。村人にとっても冷酷無慈悲なフランス軍の方がよほど脅威なんじゃないか?と思ってしまう。

美しいモニカ・ベルッチはいつでも見られる。もっと歪んだ表情だったり、憎悪の感情を顕にしたり、男に噛み付いたりまたがったり・・・髪振り乱して大騒ぎするモニカ・ベルッチが見たかったのに。それから、魔女は魔女でも生前のエピソードをもう少し丁寧に描いてあればそれなりの感情移入も出来ただろうに…。あの魔女が住む高い塔も何の小細工もなく、単なる搭にすぎないし。ファンタジーなんだから色々使い道はあっただろうに、もったいない。それから、これは個人的な思いですが、マット・デイモンヒース・レジャーは逆でも良かったんじゃないかなーとか。チャラチャラしたヒース・レジャーが見たかったな。

とりあえず子供騙しな感の否めない出来ではあったにせよ、小難しい事を考えなければそれなりに楽しめる作品ではあると思います。娯楽作品と割り切って観れば、そう悪い映画でもないかも。

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05.11.02 記

(評価:★3)

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