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[コメント] 大人の見る絵本 生れてはみたけれど(1932/日)

小津監督って本当意地悪な人だなぁと思う。
づん

あんまり他人には見られたくないような部分を「でもそんなのどこの家にもある事じゃないの?」的に取り上げる小津監督は、本当に意地の悪い人だなぁと思えてしまう。だってそれは、他の人もそうなんだっていう安心感には絶対に繋がらなくて、むしろどこの家もそうなんだっていう絶望感に繋がってしまうんだもの。それなのに、絶対にそれらを否定的な目では見ないのがこの監督の特徴なのかな。意地悪なんだけど、正論なんだよなーっていう感じ。

でもこの作品は正しさだけじゃなく、優しさもうっすら敷き詰められているように感じました。私は小津監督はどこにも寄り添わないイメージを持っていたんですが、この作品はそうじゃなかったのでちょっとびっくりしたと同時に、小津監督ですら初期の頃はこうだったんだなって、なんだか嬉しくもなりました(まだ全然本数見てないので、全くの憶測ですけど)。

ただああいう場合、母親ってやっぱり子供を諭さなければならないと思うし、夫の味方をするべきなんじゃないかなぁと思ったんですけど、そんな事したら逆に旦那様は傷ついてしまうんでしょうか。自分がそういう立場に立たされた時、どうすべきなんだろうってちょっと考えてしまいました。

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08.09.22 記

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ジェリー[*]

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