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[コメント] パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド(2007/米)

このシリーズはここで終わるのが一番良い。
づん

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今作、私には限界ギリギリでこのシリーズを終えたという風に映りました。

やはりこの3部作の要はジャック・スパロウ船長な訳で、極論ですが私(というか、恐らく大方の女性)にとってはジャック・スパロウ船長の為だけの映画でした。

彼の強烈なキャラクターが観る者の度肝を抜いた『呪われた海賊たち』でジャック・スパロウ船長(てかジョニー・デップ)の人気が爆発、その期待を背負って公開された『デッドマンズ・チェスト』は1作目をはるかに凌ぐ興行成績を収めました。ただ、ジャック・スパロウのキャラにも慣れた観客がやはり次に期待する事ってやっぱり内容な訳で、『デッドマンズ・チェスト』はその期待に応えられるほどの作品ではなかったように感じます。

そして今作。あきらかに慣れてしまった観客の目をド・ハートにさせる程の魅力がなくなってしまったジャック。(あ、当然ハートにはなりましたけどね。でもむしろパパのキース・リチャーズにド・ハートになりかけましたよ、私は。)そこに持ってきて、面白いんだか面白くないんだか分からなくなってしまうほどのエピソードを詰め込んだ内容に、ジャックだけでなくウィルやエリザベスまでがなんだかよく分からないキャラに成り下がっている始末。

そして今回登場したサオ・フェンなんかは、その存在に疑問を感じるほど。尺を長くしてまで必要なキャラだったのかイマイチ分からない。「今回はちょっとオリエンタル色を出してみようかなー♪」みたいな、単に前2作との差別化を図るための道具に過ぎなかったような気さえします。それは『バットマン ビギンズ』の渡辺謙を彷彿とさせる起用だなーと。それだったらむしろ9人の伝説の海賊の方に重きを置いた方が良かったのでは?と思います(王下七武海かよ!と思わずツッコミを入れましたけども)。

もう力技でねじ伏せられた感は否めませんが、なんだかんだ言ってラストは結構良かったかなーと。あの小船に乗ったジャックの後姿は、彼の最後の姿としてとても似つかわしく、また、最後までその愛おしさをスクリーンに残してくれました。

ジャック・スパロウにもう会えないのは非常に名残惜しいですが、このシリーズはここで完結するのが一番良いのではないかと思います。それに私たちのジョニー・デップはこれからももっともっと魅力的なキャラを沢山生み出してくれると思うから。

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07.06.19 記

(評価:★3)

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