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[コメント] 銀河鉄道999(1979/日)

邦画史上稀に見るファムファタール、メーテル。
づん

その謎めき具合は二次元というフィールドでこそ遺憾なく発揮されるものであり、存在そのものが支離滅裂であろうとも、それを魅力として充分描けていると思う。穢れなき処女性を持った妖精のごとき女性であるように見えるのに、ふわふわだけど全身黒づくめ、何故か女海賊と親交があるとか、謎すぎる。その容貌も含め、男性を虜にしてやまない魅惑のオーラを放つメーテルの存在は奇跡的。アニメはあまり見ないからよく分からないんですけれども、そもそも一人の人間に神性と魔性を同居させる事に成功した例って他にあるのか?私はその点でかなり度肝を抜かれてしまいました。

また、少年が成長するための踏み台として、その身を捧げる母性も持ち合わせる彼女。年齢不詳ではありますが、青田買いしているうちに婚期逃したみたいな薄ら哀しさが纏わりついています。み、身につまされる・・・!メーテルにはそういう経緯があって(私の脳内でだけですけど)、いつの間にか我が身の幸せなど考えなくなってしまったのです。多分。自分では決して何も行動を起こさないけど、私を踏み台にしておゆきなさい的な、少年の原動力となる事を決心したのです。真の人身御供はメーテル、その人なのです!

少年が大人になる時には必ずこういう女性が傍にいたのではないでしょうか。それが生身の人間か、自身が作り上げた幻か、二次元か(まさにメーテル!)、はたまた肉親かは別として。だからこそ大人になった男子の心を今も掴んで離さないのではないでしょうか。

それにしたって監修が市川崑というのには驚きはしましたが、なるほどと納得も出来る。

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09.01.08記(09.01.03劇場鑑賞)

(評価:★3)

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