[コメント] 世界大戦争(1961/日)
これまで私が見てきた松林宗恵監督の作品は真っ向から戦争を否定した反戦映画ばかりだったので、最初この作品を見た時はものすごく面食らってしまいました。
だって作品中では架空の戦争、第三次世界大戦が起ころうとしているんだもの。なんだこの嘘っぽい戦争映画は!って最初は気持ちがすごく反発してしまい、なかなか作品に入り込めませんでした。
けれども観終わった時にはやっぱりこれは松林監督作品だと胸が熱くなっていました。特に戦争というものが遠い過去というよりも、もはや非現実的なものとすら思えてしまう現代において、このような作品はもっと作られるべきかも知れないと思いました。あ、やっぱり作らなくてもいいからこういう作品をリバイバル上映するべきだ。
奇しくもこれを見た頃、北朝鮮が衛星という名のミサイルを打ち上げるだのなんだの言っていた頃で、それに対して本気で危機感を持っている一般庶民はどれほどいるだろうかと考えてしまいました。祖母が毎日ミサイルどうなった、ミサイルどうなったと騒いでいましたが、私は何をそんなに気にしてるんだろうぐらいにしか思っていなかった。けれども実際にこの青い空をミサイルがバカみたいに飛んでいる風景を目の当たりにしてきた人ならば、誰だって怯えるのが当然だと。本当に平和ボケした自分が恥ずかしくなりました。
毎日危機感を持って生活するとか、北朝鮮のミサイルに怯えて生活するとか、そういう精神で日々生活しなきゃいけないというのではなく・・・なんだろう。こういう事に対し、決して無関心でいてはいけないのだと改めて思わせてくれた最後の字幕の力はやっぱり大きい。
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09.04.06記(09.04.02DVD鑑賞)
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