「大切なモノ」って何なんだろう？「目に見えない大切なモノ」そんなおばけみたいな感情とか気持ち。目に見えないからこそおばけのように怖くみせようとする。怖がらせてその場を回避させようとする。大切なモノを守る手段として。80年代の邦画を彷彿とさせるノスタルジックな雰囲気のこの映画は、夏休みという短くて特別な期間を切り取って、若者たちの思い出を綴っていきます。多感な時期に感じる焦燥感･虚無感を見事に表現していると思うのですが、ただ一つ残念なのが、主人公の男の子に今一つ魅力が足りない事。模範的な高校生を描こうとするあまり、本当に普通の男の子になってしまっていました。親友や転校生のように、誰もが心に抱えている「陰」の部分が主人公にだけ欠けていたからでしょう。そこだけが非常に勿体無い。それでも親友と転校生の「陰」の部分を際立たせる存在としての役割を果たしていたようにも思うのですが。

この映画、私は非常に大好きで、もっと多くの方に観てもらいたいと切に思える映画でした。主役の３人は、若さを武器にしたナチュラルな演技で等身大の高校生を演じていたし、脇を固めているベテラン勢は個性派揃い。舞台となった長崎の孤島も本当に魅力的。だからこそ役者たちの魅力も最大限に発揮されていたように思います。

このレビューはこの映画の布教の為に書いたものです。少しでも多くの方にこの映画を観てもらえたら…と思います（その割には映画の良さが全く伝わらないレビューですが）。そして少しでもコメントが増えればいいなぁ…と思っています。

ちなみに。この映画に出ている金子統昭という役者さんは金子マリさんとジョニー吉長さんのご長男で、現在RIZEというバンドのドラムを担当している方です。（ちなみにRIZEのヴォーカルJesseはCHARさんのご子息です）RIZEもとてもいいですよ！実際体感するのをオススメします。（…とRIZEも布教してみる）