[コメント] ヴァージン・スーサイズ(1999/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ソフィア・コッポラにとって、ストーリーはさして問題ではなかったのだと思います。ストーリーを冷静に考えると、ただの不思議映画(彼女達が自殺するのにはさすがに説明が少なすぎる)。 ストーリーを重視する方や、現在女の子でない方、過去に女の子でなかった方、また女の子であっても「コーヒーカップなんてそこらに売ってるやつでいいじゃない」とおっしゃる方には向かない映画(音楽が好きな方にはOKかな?)。 これはきっと、ソフィアと同じ立場に立てる人間がニヤニヤしながら見る、という極めて用途の限られた映画です。
メイキングで、父親役のジェームス・ウッズが「これは映画の製作を終わって現場を離れるのが嫌だと思った初めての映画です」と話していますが、これはそのまま観客にもあてはまるのではないでしょうか? 例えば、DVDなら繰り返し再生で部屋の雰囲気をずっとヴァージン・スーサイズにしておきたくなる。部屋を出る時にストップをかけると、途端に空気が白々しく変わる。
どうだっていいことにこだわる女の子ならきっと楽しめます。でも欲を言うなら、もっと姉妹の生活を見せて欲しかった。例えば、どういうお茶をどういうカップで飲むのか、どういうバスソープを使うのか、どういう靴を持っているのか、どういうバッグにどういうボールペンを入れて学校に持っていくのか(こういう理由で、ラックスがランチ中にトリップに話し掛けられる短いシーンが大好きです)。
それ以外には、キャスティングが見事だと感じました。ジェームス・ウッズ、キャスリン・ターナーの両親から、キルスティン・ダンストを始めとした姉妹達で構成される家族。それぞれが役にぴたりとはまっています。 また、トリップ役のジョシュ・ハーネットは、恋する目が非常に上手い役者だと改めて思いました。
ただ、やはりこの映画は、受け入れられる層が限られていることは確かだと思います。ちなみに、私は性別、年令、趣向共に見事マッチする幸運に恵まれましたので、とても楽しめました。
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