30年前結婚した相手はアニメファンだった。オタクって言葉はなかった時代。タイムボカンシリーズはよく見ていた。私もつきあって見た。主題歌LPレコード（CD版はまだ一般的ではなかった）を買ってカセットテープに入れて車で良く聞いた。HONDAのCITYで燃費がいいだけの1300ccの小さな車だった。生まれた娘を乗せて3人で出来たばかりのディズニーランドへ行ったことがある。♪キラッキラッ、スタースターで始まるタイムボカンシリーズのカセットに合わせて車の中で歌ったりした。それは私に取って短い人並みの幸せな一時期だった。ヤッターマンシリーズはその中でも極めつきのワンパターンでその繰り返しが快感だった。

30年たって還暦を迎えて始めて見た映画がこれだ。シルバー割引1000円を使う事なく、ネット予約夫婦50割1250×2で見た。アニメ版でドロンボー一味を演じた声優さんが出て来るシーンで、隣のオタク妻は（わかった？！）と私をこづいた。声はわかったが画面の誰だかわからなかった。劇場を出ると、富山啓はもういない。説明しよう、は富山啓じゃないとだめだ。ヤンも死んじゃったし、と倒置話法で言った。私には主題歌のシーンがなにより懐かしかった。音楽がLP時代のノリである。その歌を車のシートで聞いていた娘は作る側に回ってニコ動にCMなど流している。乗らない割に無駄にかかる経費が負担で車は手放してもう２０年乗っていない。

最近の邦画CGは良く出来ていて（三丁目の夕日など）それなりに退屈しないで見られるがやはりCG感は否めない。頭が自動的にこういうものだと括弧に入れて見ているから私に取っての映画的な感銘は薄い。見終わった後で残っているのはドロンジョ深田恭子だけだった。見た目もよかったが声がかわいかった。アイドルは女優になれるけど女優はアイドルになれないから、アイドルと呼ばれるのはうれしい、と朝のTVで言っていた。いい女優になりました。