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[コメント] おおかみこどもの雨と雪(2012/日)

微妙
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭、写実的な草原に2次元アニメの花の横顔、開いた瞳がまんがの目。この落差が全編を貫いている。 見える絵がそうなら、内容も異形の子どもを育てるわけありシングルマザーのリアルとファンタジーが乖離している。一例あげればこうだ。虐待を懸念する行政の担当者と室内のおおかみ子どもまんがの落差.

障碍児を育てる母親の物語、あるいはハーフの子どもを産んだシングルマザーの生活という寓意を読み取れるが、3人雪原に寝転んで大口開けて笑っている描写が別世界.この2つの世界の矛盾が明らかになるところでドラマが生じる。雪が宗平を傷つけた後の校長室のシーンがそうだし、雨がおおかみとして生きていくことになるいくつかのシーンがそうだ。そこを力技のアニメの演出で切り抜ける監督の手腕はやはり微妙。

そういえば、前半の音楽で情緒的に高揚させて悲惨なはずの生活を流して行く、という手法も好きじゃない.時かけ、ウォーズ、には同じ「微妙」さがあるのでこれはこの監督の生理的なものだと思う.今後、内容と表現の乖離がどう変って行くのか、やや楽しみではある。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)死ぬまでシネマ[*] chokobo[*] ペンクロフ[*]

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