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[コメント] 真夏の方程式(2013/日)

実につまらない。子役ががんばっていたので★3つ
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







冒頭殺人者の視点でハンディカメラが使われる。これがだれだったか、というのが謎の一つになる。 この殺人の動機が唐突で設定が弱い。殺人に至る必然性に説得力がない。更に歩道橋で殺されるが、被害者がこの歩道橋を通って行く事を犯人はなぜわかったのか。その点が説明不足なので、凝り返されるこのシーンを見せられる度に、凄く混乱し興奮して止むに止まれず殺しっちゃったのよ、という映画的表現だけが鼻に付き興をそがれる事おびただしい。

ガレリオが伊豆に向かう列車の中の少年とのエピソードは、ガリレオの性格描写を狙うあまり、不自然なところが多い。車内の携帯使用を注意する老人がわざとらしいし、それを止める妻もこれ見よがしな演技で身が引ける。おにぎりを食べるように少年に勧めるガリレオは、子どもが嫌いでじんましんがでる設定のはずで、そのことに触れていない。さらにおにぎりを包んだ方の側で携帯を包むがこれは無神経なやり方だと思う。飯粒のねばねばが携帯に着かないだろうか。なぜこの少年は携帯のスイッチをいれたままにしておかなければならないのか。メールがどんどん来てしまう、と言っていたが、電源を入れたままにして電波を遮断しなければいけない理由がよくわからない。

全編この調子で、殺人事件の謎解きと人情の方程式を解明する描写は、いわば結果のわかっている定石問題の解法を提示するだけで、難問をとく喜びがまるでない。新しい発見はなく、映画的手法は「わかりきった謎解きの描写」の為に使われている。子役の演技力がまずは観賞に耐えうる収穫であった。どうせ現実離れした推理ものなら容疑者Xの方がケレン味があって数倍よかった。いや、それなりに期待して行ったので残念な結果であった。

(評価:★3)

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