良かったところ。渋谷のロケ。アラーキーの写真。ラスト近くの２人が歌って踊るところ。

良くないところ。スジが散漫。ＳＭの女王役をやっている世界と小劇場の世界とどちらも中途半端。小劇場のエピソードがまずは見られた。その芝居もいかにも小劇場って感じで面白かった。芝居は生で見たいです。細かなところが、ちょっとずさんでそこでリアリティがなくなる。日本映画に良くあるパターンだ。マンションに呼ばれて女が２万５千円もらう。その札をカウンターの上に置いたまま浴室に入る。ハンドバックをシャワーに掛ける（盗まれるのを避けるためだ）。浴室から出てその札をバッグにしまう。この状況だと、まずお札をバッグにしまうんじゃないか。その２．男の乳首に女王様がピアッシングする。その時の乳首が作りもの。それで引ける。実際やってほしい、というんじゃなくて、もっと説得力ある撮り方できるだろう。その３，男ドレイが手を自由にされるんだけど、それが左手でこの人はぎっちょなんだろうか。なんだか不自然。ＳＭの描き方もコミックチックで外側をなぞっただけの印象。ハイヒールの大写しとかやってくれたら少しはマシなのにとか思った。画面の質がＴＶドラマの作りで、中途半端なプロモーションビデオみたい。劇団で男優とやりまくっちゃうのも、状況説明だけの感じ。成人指定にしなくても充分描けたところがたくさんある。

後半、ホテトル嬢が殺されてから、おもしろくなるのかな、と思ったが劇団活動に比重がうつってしまい期待はずれ。

主人公の鈴木砂羽にあまり生活感を感じなかった。自然さはあるけど。ひまわりのアップもわざとらしい。

そんなわけで期待して見たせいもあるけど映画としての出来は普通。劇団の話を中心に描いてくれたらもっとドラマが面白くなった気がする。せっかく包装されたままのパッケージの新品をいただいたんだけど、残念でした。