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[コメント] めまい(1958/米)

見直して★5。キム・ノヴァクがやばすぎる。そしてヒッチコックのねばり腰。ホテル・エンペラー!
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







これはカメラがすごい。高所恐怖症っていうのはこうかもしれない、と思う。ヒチコックは芥川賞じゃなくて直木賞のジャンルです。←以前の★4のコメント。あー恥ずかしい。おそらく螺旋階段を登るシーンを覚えていて、この程度のことしか書けなかったんだ。

これ話が3段構えですよね。まず奥さんの自殺。でも落ちたところ見せないし、死んだ人間が憑依してるってなんだか変。ジェームス・スチュアートは精神病院に入っちゃうし。ま、ここまでが話の始まり。でもいくつか変なところがある。キム・ノヴァクのことを旦那に報告した気配がない。キム・ノヴァクの色香にノックダウンされたにしては、もう旧友だんなの話はまるでない。キムが飛び込んでジェームスの部屋で介抱されそのまま逃げた時、キムの服はまだジェームスの部屋にあった。翌日手紙を持ってくるキム。忘れてきた服の話はどうなったんだ。

次にジェームスの申し出を受け入れるキム。これは第3者としてだよね。言うこと聞いたら愛してくれる。ジェームスがキス。二人がぐるりと回ると背景がホテルの室内からあの修道院に移ってもどる。映画はこうじゃなくっちゃ。ここで話をおわりにしてもいいよね。ジェームズはキムを演じるキムの愛で復活した、と。でも見ている者の中では、自殺に見せかけて殺された奥さんはどうなっちゃうんだ。犬死にだろ。そうしてキムがジェームスの好きだったキムなのに違うフリして、それでいいのか。

そして最後のシーンへと繋がるわけだ。この展開にやられたね。二人が幸せなら、キムが殺人に加担したことなどもういいじゃないか。まああの旧友のだんなが奥さんを殺す動機が不明。遺産かね。でも美人じゃん。解せぬ。とか思ってるとやはり倫理的に許されない、という要請がどこからかくるんだね。最後の黒い影のシスターも随分と怖かった。

というわけで話と見せ方と役者と3セットそろって文句なしの★5つ。日本でやるなら若尾文子でしょう。あのキムは。

(評価:★5)

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