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[コメント] 長崎ぶらぶら節(2000/日)

原田知世と高島礼子で+1。吉永小百合は別世界のお方であります。
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こういう日本の映画って、つまりところ様式美の残骸にしがみついている。タイトルが出てくる導入部が、吉永小百合の少女時代。山道を芸者に売られて長崎に連れてこられる。夏らしく蝉がないている。で、この蝉の鳴き方がいかにも、「ここで蝉の声のSEを入れる」という音。途中でも(大正時代)同じ蝉が鳴いてる。作業マニュアルをこなしているのが思い浮かぶ。少女は手で眼鏡を作って遠い長崎を望む。この時の演技がいかにも、つけられた演技。この後、少女がホタルに囲まれる幻想シーンとなる。これがラストの吉永小百合が倒れて死ぬ時のシーンにつながる。昔の演劇の作り方だ。それで、心が引ける。

そうなれば、あとは役者見て、風景見るしかない。吉永小百合は、年齢不詳同時代に生きている人とは思えない。妖精であります。原田知世が少女時代の持ち味を失わず、いい感じ。登場シーンは少ないが高島礼子、私はこの映画の中で唯一リアリティを感じました。吉永小百合とは敵役芸者。風景はきれいです。雪の降る路地をカメラがゆっくり移動して俯瞰にうつるところなんかいいです。。

様式の設定に人物を当てはめた演出と思いました。いっそのこと実写ファンタジーにすれば、面白くなるのに。芸者には、椎名林檎とか使ってさ。藤村志保のおかみよりも、千と千尋の湯婆のほうがよほどリアルでした。

(評価:★3)

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