[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦(2002/日)
なんでこんなに評価高いんだ。わかんないよな。アニメだしさあ。ヒマつぶしに見てみるか。・・・何ィ!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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まっすぐな気持ち。これがまず第一に残る。廉姫が又兵衛を思う気持ち、又兵衛が侍の自分に忠実であろうとする気持ち、ひろし・みさえが家族を思う気持ち、しんのすけが正しいわるガキであろうとする気持ち。まことにアッパレな直球勝負。
抑制の利いた脚本・演出には映画道を究めんとする監督のまっすぐな気持ちが伝わってくる。現在のテクノロジーを過去に導入して、変なドタバタ騒ぎにしなかった点、過去の世界ではあくまで傍観者としての位置をしんのすけ一家に与えた点。クレしんのキャラ設定ではいくらでもかき回せる状況なのに、それをあえてせずに、戦国武士の生き様をきちんと描いた点、禁欲的とすら言える。
それでも、しんのすけの活躍で敵将を下し(まげだけ取るのはまあお約束)、これで又兵衛、武勲により昇進晴れて姫を奥方に迎えてハッピーエンドかよ、と思っていたら、あの結末である。思わず、何ぃ!と身を乗り出してしまった。「お子さまランチ」の定番をくつがえし物語が一段と深まる選択であった。
クレヨンしんちゃんの線は平面まんがの線で技術的にはつたない。モンスターズインクやジブリ諸作品と比べれば明らかに見劣りする。しかしだからこそ、このつたない線、省略と様式化によってシンプルな主題をくっきり描くのに成功したのではないだろうか。技術重視の業界にあって、テーマをしっかりと掲げそれに合った方法で訴える原恵一監督の姿勢を強く感じた。
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