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[コメント] 浮雲(1955/日)

おんなじところをぐるぐると。
3WA.C

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







言わずもがなの名作。男女二人が切れるに切れず、そのままずるずるべたっりの関係を続け、やがて破滅していく様が、息苦しいほどに描かれている。後半の、鬱陶しいほどの雨。映画全体のトーンを決めるテーマ曲。そこにモノクロ画面がべったりと貼り付いて剥がれない。

映画の最後に「花のいのちは短くて・・・」のテロップが出てくるけれど、あれはちょっと情に走りすぎているきらいがある。女の純情ってことじゃなく、やっぱりここは情念の世界。女は枯れても、骨になっても女である・・・小泉八雲の『破約』のような女の念が、この映画からは感じ取れるのだ。だからこそ、その終わりは「花のいのちは短くて・・・」ではないと思うのだ。

印象的なのは新興宗教のくだりと、浴衣を脱ぎながら背後の男に目配せをする岡田茉莉子。肩越しに見る彼女の眼は尋常ではなかった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)chokobo[*] 3819695[*]

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