小津の描く家族像と似ているようで似ていない。それは「金」の問題を現実的に扱っているところか。オールスターキャストを観る楽しみに眩惑されてしまいがちだが、この映画は徹頭徹尾「金」の事しか言ってません。言ってみれば下劣な話題なのだが、そこを「映画」にしているところが製作陣のウデなのだろう。

８ミリ映画上映会のくだりは、ちょっとばっかこっぱずかしかったな。デコちゃんの「早回し」で笑わせてもらったけど。

中盤とラストに登場する笠智衆。「お孫さんですか？」に対する驚愕の答にもただただ笑ってしまった。