[コメント] 問題のない私たち(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
虐めは犯罪である。
殴る蹴るの暴力は暴行罪、カツアゲは恐喝罪又は強要罪、 集団リンチは犯罪教唆罪、その他、 あらゆる違法行為となる重罪であり(しかも刑罰)、 若気の至りや悪戯という軽い気持ちでは済まされない。
被害に遭う人は、 自殺を考えるか相手を殺すか二択を迫られるケースもあり、 劇中よりも遙かに酷い地獄である。
劇中では潮崎マリア(美波)が笹岡澪(黒川芽以)を助ける事で友情が芽生え、 中盤から後半にかけては、 マリアに救われた澪の活躍によりクラスをまとめる事となるが、 現実問題としてこれは有り得ない話。
まず虐められた人間は自分がターゲットから外された事に安心する。
生死を賭けたサバイバルから人並みの生活が保障された生活に戻る、 これは虐められた人間にしか理解出来ない素晴らしい事である。
そんなマリアが澪の虐めを助けるなんて有り得ない。 普通なら復讐として虐めに参加するか、 又は自分は安全地帯で安心して虐めを鑑賞するか、二択である。
興行的に友情物語とするにはマリアの優しさと勇気が必要だが、 そんな人格があれば最初から虐められるタイプではない。
そんなマリアの人徳がクライマックスの辞めろコールでも発揮されて、 澪が活躍する訳だが、 結局はマリアを人徳者にしないと話が終わらないから、 興行的には仕方ないかと思われる。
まあかなりのダメ出しをしたが、 虐めがテーマとしては完成された映画ではないだろうか。
最後に虐め地獄を上手く再現されてるドラマとして、 一番のお勧めはTBS系ドラマ「ヤンキー母校に帰る」の3回〜4回のエピソード。
虐めは現場の関係者全員が命懸けで対応しないと解決しないと言う台詞があり、 まさにその通りだと思った。
虐めは戦争と一緒で被害者にしか理解出来ない。
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