・・・と叱られてしまうのじゃないかと思うほどに迫ってくる。ポツダム宣言を受諾するのかしないのか？！条件付けるのか付けんのか？！本土決戦するのかしないのか？！腹を切るのか斬らんのか？！放送止めるのか止めんのか？！文言変えるのか変えんのか？！YESかNOか、どっちだ！

とにかく色々なものが迫ってくる。役者が目をむいて迫ってくる。しかし、これを見る者は、迫られても呑まれてはいけない。一度呑まれたら最後、その先にあるのは盲従と狂気と自滅だ。戦争の悲劇は、大きな決断に呑まれてしまった頭の良い突破者達の、哀しくも自覚の無い突進なのか。 一方で、笠智衆の顔芸が、これまたナイス。迫られても浮き足立つことなく、「な〜に、大衆は意外に大丈夫ですよ。」ときたもんだ。突破者の対極にある人間の品位を見た思いだ。 そんな昭和20年8月15日に対する喜八ならではの思い入れが、史実とともに、これまた迫ってくる。

この軸のブレなさは、心地よい。