心優しいレイムズ演ずる囚人が、死刑に処される。人の痛みや苦しさ醜さを体感する能力を持つがゆえに、生きていくことに絶えられなくなる。それを止めることもできず、見送るトム・ハンクス。何かいい映画のように思わせて、冷静に考えると実はすごく理不尽極まりないお話。彼の能力は何のためのものだったんだろうか。彼によって何人かは救われるのだが、それに引き替え彼は無実の罪を背負ったまま天国に召される。これがいい映画？私には理解できない理不尽さの方が際立って見えて、救いがないように思える。残酷さだけが見え、良心を持つ人が生きていくには耐えていけない世の中しかないように思えて共感できなかった。救われるべき人が救われない理不尽な展開は見ていてつらかった。