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[コメント] ミラクル・ぺティント(1998/スペイン)

理屈抜きで好きになれるはずのものを、理詰めで嫌いになってしまう、その不幸な例。
ユリノキマリ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







本来こういう映画は大好きなはずでした。キュートな年寄り、ポップな色調、ふざけた設定。差別的表現をいたずらにタブー視しないものも、物によりますが基本的に好きです。

ところがこの映画は、大体上記のようなことが原因になって、「だから」嫌なのよね、という感想を持ってしまったのでした。

キュートな年寄り、キャラや境遇の設定に無理あり過ぎる(いつもなら、その無理や矛盾をこそ愛せるのに)。

ポップな色調?目にぜんぜん優しくないなあ(いつもなら、「目がチカチカするほど魅力的」とか言いたくなるのに)。

ふざけた設定は別にいいんだけど、その設定の中で動くキャラたちに魅力を感じられないから嫌。「アホウ」としか言いようがないペティント1人がチャーミングに頑張っても、カバーし切れていません。

国民性なのか、監督や脚本家や製作者の個人的な観念なのか、母親像が(オリビアにしろ、重い荷物の下敷きになる母にしろ)余りにもステロタイプな感じがするのも白けました。まあ、無意味に新しかったりシュールだったりしても、それはそれで白けますが。

「見なきゃよかったなあ」という思いが残っただけだというのに、ミシュランの“ビバンダム”みたいなあの宇宙服を思い出すと、つい口許が緩んでしまうので、1点をつけてしまえないのが、何とも悔しいところです。

(評価:★2)

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