リーダーさんのコメント: 点数順
家族の肖像(1974/仏=伊) | 物腰の柔らかい美人はいるが、美そのものは多分に図々しいものである。人の心に土足で入り込んできて、散らかしたまま出て行くものである。それは額に入れて愛でるものなんかではない。映画史上もっとも美しい闖入者たち(たぶん)に乾杯。 | [投票(5)] | |
斬る(1968/日) | 歴史がきちんと描けているので、フィクションに徹した黒澤映画のような突き抜けた爽快さはないが、時代に翻弄される人々(敵も味方も)の気持ちが伝わってきてずっしりとした手応え。それでいて個々のキャラクターはあくまでもポップ。 | [投票(5)] | |
気狂いピエロ(1965/仏) | 白黒では成立しない映画。この目の覚めるような赤・青・黄色は永遠に色褪せない。 | [投票(5)] | |
翔んだカップル(1980/日) | マンガ原作&アイドル映画ということで過小評価されている作品。公開より後に生まれたので先入観無しに見ることができたが、凄いシーンが随所にあった。特に尾美としのりが一人で出てくるシーンは全て良い。先生役の円広志演技上手すぎ。 | [投票(5)] | |
どですかでん(1970/日) | なんだこれは?まるで死人の夢だ。そしてこれほどまで原色で溢れかえった画面から空寒さすら感じるのは何故?黒澤の魂は一体何と戦っていたのだろう。 | [投票(4)] | |
田園に死す(1974/日) | 総天然色の『8 1/2』。この世で一番浅ましくて、醜くて、ゆえに愛おしい母親という存在。そこから逃れるためには、「殺す」か「捨てる」しかないのだという寺山の哲学が一貫している。 | [投票(4)] | |
白痴(1951/日) | 公開当時酷評されたのも当然。のちのサイケデリックにも通じるような奇妙な演出。少なくとも20年は進んでいた。一部、二部それぞれのラストは、降り積もる雪の様な人間の「恐怖」が「狂気」に変わる瞬間を捉えていて戦慄を覚えるほど。 | [投票(4)] | |
みな殺しの霊歌(1968/日) | さすがに犯罪自体の猟奇性は薄れてるだろうし、動機に不明瞭な点も多いが、それら全てを「なんでもないよ。名前も知らなかったんだ」という台詞だけで納得させてしまう圧倒的な演出力。乾いたユーモアもある。 [review] | [投票(3)] | |
女は女である(1961/仏) | フランス語には男性名詞と女性名詞がある。それはつまり、日本のように闇雲に「男女平等」を謳うのではなく、あらかじめ別の物とした上で、お互いがお互いを尊重するという姿勢なのだ。女は女である。 | [投票(3)] | |
丹下左膳餘話 百萬両の壷(1935/日) | 最高のタイム・カプセル。これから先何年経ってもあの登場人物たちはスクリーンの中で生き続けているのだと思うと、嫉妬を覚える。 | [投票(3)] | |
母なる証明(2009/韓国) | ゴルフクラブやコンクリートの“重み”や、裁断機で指を切ったり、鍼を身体に刺すことの“痛み”。そういったものが、比喩ではなく、ズシリと伝わってくる作品だった。 [review] | [投票(2)] | |
天井桟敷の人々(1945/仏) | この映画には「登場する役者は気の利いた台詞以外口にしてはならない」という決まりでもあったのだろうか。 | [投票(2)] | |
パンと植木鉢(1996/仏=イラン) | 恋愛とは一輪の花、平和とはひときれのパン。素敵なことわざのような映画。 | [投票(2)] | |
決闘高田の馬場(1937/日) | シリアスなものを想像してたら、香港映画もビックリのエンターテイメントだった。まさに「酔拳」ならぬ「酔剣」。最後まで決闘を運動会かなにかと勘違いしてる志村喬も、弥兵衛の娘大倉千代子も最高。 | [投票(2)] | |
ピアニスト(2001/仏=オーストリア) | 自分に厳しい人間は、他人に優しさを与えることで拠り所を得たりするが、自分にも他人にも厳しい人間はどこにそれを求めればいいのだろう。登場人物の誰にも感情移入を許さないハネケの冷徹な視点が冴えてる。 | [投票(2)] | |
女は二度生まれる(1961/日) | 若尾文子 演じる芸者の、行儀の悪さからぞんざいな口の利き方まで、いちいち艶かしくて参った。何やら含みを持たせたラストも良い。 | [投票(2)] | |
ウィークエンド(1967/仏=伊) | 60年代のゴダール映画の魅力って、引用の難解さとは裏腹に、内容そのものは思いっきりB級映画なところだと思うんだけど、これはその最たるもの。ほとんどコメディとして見ました。 | [投票(2)] | |
肉弾(1968/日) | 監督の祈りにも似た思いを感じる。「大したことはない、本当に大したことはない」。 | [投票(2)] | |
銭ゲバ(1970/日) | あの子供が生き延びてブラジル人の嫁をもらうとは思わなかったズラ! [review] | [投票(1)] | |
新学期 操行ゼロ(1933/仏) | 誰だ!この映画見て「可愛い!」なんて言ってるのは?上映禁止の憂き目に遭ったのは解せないが、ここにヤバいアナーキズムを汲み取ったフランス政府の批評眼は賞賛に値する。 [review] | [投票(1)] |