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[コメント] ろくでなし(1960/日)

底知れない虚無感を宿した津川雅彦の演技が最高。とっちゃんボウヤ川津祐介も棒読みだけど奇妙な存在感がある。秘書役の人は北陽の虻川にしか見えなかった。
リーダー

鈴木清順『すべてが狂ってる』、蔵原惟繕『狂熱の季節』などと並ぶ和製ヌーヴェルヴァーグの代表作。

劇中、浜辺のダンスパーティーで佐々木功が歌うシーンがあるが、その曲の「ろくでなし!」というフレーズのイントネーションが絶妙で、耳に残る。篠田正浩の『夕陽に赤い俺の顔』にしてもそうだけど、どこか軽薄な当時の流行歌と比べて、映画の劇伴用に書き下ろされたような曲のほうが、歌詞の内容の面でいくらか進んでいる気がする。単に演劇的な効果を上げるという目的もあったんだろうが、登場人物の精神状態を誇張して書いたような詞が、今聴くと新鮮だったりして。

ラスト、画面が止まってから「終」の文字が出るまでの間がまた絶妙で、いろんなことが頭を駆け巡る。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ガリガリ博士

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