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[コメント] フォレスト・ガンプ 一期一会(1994/米)

だいぶ前に観た時には分かってなかっただろうな。再見して4→5に。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







フォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)は何なのかって話だけれど、あれは恐らく広汎性発達障害のどれかだと思う。今でこそ日本でも多くの人が知るようになったけれど、この映画の公開当時、観ている人でどれだけの人がそれに気付いたか。多分ほとんどの人が知らなかったし気付いてなかったんじゃないかと思う。私自身、まだ知らなかったと思う。

〇例えば、ガンプは言われた通りにするのが大の得意。ルールを守るのが得意。軍隊がピタリとハマる。

〇例えば、初めてスクールバスに乗る時、運転手に「ママに知らない人の車には乗るなって言われた」と言う。

〇例えば、ゲイリー・シニーズを救出して命を助けたけれど、助かった彼はしばらくガンプを恨んでいる。「なぜ俺を助けた、俺はあそこで仲間と共に死ぬ運命だったのに!」。そう言われたガンプは理解しているかと言うと理解出来てない様子。これは知能が低いからでなく、言っている文章は分かるけれど自分のものとして理解出来ないってこと。

〇或いは、ガンプは卓球にハマる。とんでもなく上手い。球から目を離さないのがコツと言われて球から目を離さない。

〇はたまた大統領にお尻の傷が見てみたいと言われて本当に見せる。空気を読んでその場に合った行動をするのが苦手。言われたことを文字通りに受け取ってしまう。

などなど、これらどう見ても広汎性発達障害だろう設定だったんだなぁと何年も経って再見して分かった。

広汎性発達障害の人たちにとってこの社会は生きにくい世の中だと思うんだけれど(例えば「主人公に主体性が無い」と言われるのもその一つ)、ガンプみたいに、行き当たりばったりに見えるかもしれないけれど、その時その時を一生懸命生きればきっと大丈夫だよね。まあ現実はそう甘くないだろうし、明るく前向きに見えるガンプだけれど本当はとっても辛い思いをしているはず。でもきっと大丈夫だと思えるような、広汎性発達障害に関わっている人たちが見たら絶対元気になれる映画だと思う。良い映画だった。

(評価:★5)

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