[コメント] オズ はじまりの戦い(2013/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
(レビュー最後に、アニメ『花の子ルンルン』と『オズの魔法使い』(1939)のネタバレあり)
「カンザスの善良な農民」、一生懸命に働いて、結婚して子供を持ち、つつましく幸せに暮らす典型的なカンザスの住民、善良な人々。
・・にはなりたくないオズ。一旗挙げるとか何か偉大なことを成し遂げて有名人になり金持ちになりたいオズ。ペテン師、詐欺師、イカサマ、嘘つきのオズ。こんな人、超好かない。
そのオズにサム・ライミはこう言った。
「あなたはあなた自身を騙しているだけよ。」
そうかな。私はそうは思わないわ。
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<ラストシーン>
オズ「君のお陰で気付けた。」
グリンダ「最初からそれはあなたの中にあったのよ。」
オズ「偉大さが!?」
グリンダ「いいえ、善良さがよ。」
オズ「・・・・(驚きながらもまんざらではない顔)。」
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そうかな。私はそうは思わないわ。
ペテン師は中身もペテン師だよ。
素直に「そうだよね、オズだって本当は良い奴なんだよね。」とは思えない私だけれど、それら台詞が心を打ったのは確かで、台詞が印象的だった。納得はしていないけれど、心を打った。
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「探しているものは最初からあなたの中にあった」「それは最初からすぐ近くにあった」と言えば、『チルチルミチルの青い鳥』、または『花の子ルンルン』。彼らは善良だから素直に泣いたラストだった。夢オチのように魅力的な結末は、納得してないけれど心を打つ。考えてみれば「灯台下暗し」「頭の上の探しているメガネ」がどうしてそんなに良く思えるのか不思議だなぁ。膝を打つ快感とか。
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オズが最後に皆にプレゼントをする。あれだけペテンで嘘ばかりだったのに、最後のプレゼントだけは、妙にペテンじゃない。お猿さんの友情と陶器の女の子に涙する。1939年の『オズの魔法使い』のオズは、自作の証書だとか勲章だとかペテンっぽい物ばかりなのに。そうそう、この映画の後に1939年のオズを観るととっても面白いので再見をおすすめ。
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