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[コメント] ワールド・ウォーZ(2013/米)

ゾンビじゃなくてパンデミック。物足りなさは。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作は読んでません。

確かにこの映画にはゾンビが大量に出てくるんだけれど、ゾンビ映画と言うよりはパンデミック映画だなという印象。「宇宙人SF映画だと思ったら戦争映画だった」みたいな、最近そういうのに当たる気がする。もしかしたら流行りでこれから増えていくのかもしれない。私はあんまり好きじゃないけど。

ゾンビだったら「一緒に戦っている仲間とか家族とか友人がゾンビに噛まれてゾンビになってしまう切なさ」が当然あるもんだと期待してしまう。と言うか切なさのないゾンビ映画なんてそもそもゾンビ映画なのか。

そういう意味で唯一良いシーンだったのが、韓国で給油する時に現地の大尉だか大佐だかがゾンビに噛まれてしまったシーン。

大佐「マジかよ、俺がZかよ。」

部下「(狙って)いつでも可能です言って下さい。」

大佐「いや、いい、自分でやる。」(銃で自殺)

ブラッド・ピットと会ったばかりでほとんど交流が無い登場人物なのにいいシーンに思えるという。こういうやつが私は好きなんだけど。

だいたい、ブラッド・ピットは独りで行動してばかりで誰かと交流するとか心を通わせるとか一緒に戦うことをしない。イスラエルの女性兵士セガンだって、ろくに心を通わせるわけでも無かった。アパートで襲われて一人逃げてきた男の子にしても、男の子の家族と交流が無いので男の子に対して大した感情が湧いてこない。その辺は例えば宇宙人SF映画だと思ったら戦争映画だった『世界侵略:ロサンゼルス決戦』の方は、ちゃんと子供の親と交流して子供に気持ちが乗るように作ってたけどなぁ。★3だったけど。

結局、「ブラッド・ピットがゾンビから逃げてワクチンのアイディアを思いつくまで一人頑張った」という話なんですね。「家族のために」が付くんだろうけれど、それだけじゃ「折角ゾンビなのに」と物足りなくて。いや、物足りなさばかり書いてますが全くつまらなかった訳ではなくてそれなりに楽しんで観てましたよ。WHOの研究施設で病原体を取りに行く時に、ゾンビが後ろを向いた隙に進んでゾンビがこっちを何度も振り返るドリフみたいなやつとか。冒頭の、一体何が起きているのか分からないけれどとっても怖いことが起こっている雰囲気だけは伝わってくるシーンとか。

(評価:★3)

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