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[コメント] 八日目(1996/仏=ベルギー)

きちんと向き合って観るべき作品。背けることは逃げる事ではないかな。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







こういう映画と、ちゃんと真っすぐ向き合って観る事が大切ではないかなあ。

自分は差別・偏見が大嫌いです。自分に偏見の心が全く無いか、と言われると100%そうだなんて言えない。でも常に「そう在りたい」。

「無関心」も一つの差別や偏見であるとわたしは思う。こういった映画を観て、何も感じずにいる事はとても残念でなりません。そしてダウン症(に限らず)について正しい知識を持っている人は一体どのくらいいるのでしょう・・。

主人公が障害を持つ映画は山のようにあるけれど、どの映画も作った者の「願い」は共通しているのだと思います。わたしはそのメッセージをしっかり受け止めたいし、より多くの人が受け止める事を願っています。目を逸らさずに。  「障害が不幸」なのではなく「障害を不幸だとする社会こそ不幸」・・誰かのこんな言葉には心から同意。

以下は監督ジャコ・バン・ドルマルの言葉。 “私はこの映画で、一般に「正常」と思われている世界と「そうでない」世界との二つが存在するという認識が崩れていく様を描きたかった。映画を通じて私たちは「そうでない」と思われている世界には、我々には備わっていないものがあることに気付くだろう。作品の中では、一見不快なものや当たり前と思えるようなものの中に美しさがある。この映画によつて人々が、二つの世界の多くの相違点を通じて、その世界に対して今までとは違った視点そして新しい世界観を見いだすことで、「愛」というものの大きさに気付いてほしい。”

そうなんですよ・・・ダウン症者の言動が、「正常」なわたし達からすると一見奇妙に思えたり、到底受け入れられなかったり、不快に感じたりするかもしれない。でもそれは彼らの本質が見えてないんですよね。彼らの素晴らしい部分に気付いていない。表面的な部分に捕らわれてはいけないのですよ・・。

心に残ったシーン。   ●レストランのウエイトレスが、サングラスを取ったジョルジュを見るなり「ごめんなさい、気付かなかったの・・」とうろたえるシーン・・。なんて残酷なんだろう。でも実際にありがちなシーン。   ●それから二人が緑の中に寝そべっていて、ジョルジュが”あと1分”寝そべっていたい、と言うシーン。1分が経ち、ジョルジュが言うセリフがとても印象に残りました。   「いい一分だった・・・僕たちの為の、僕たちだけの、一分。」

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (9 人)甘崎庵[*] 緑雨[*] らーふる当番[*] ジャイアント白田[*] さいた kazby[*] トシ ことは[*] けにろん[*]

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