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[コメント] 木更津キャッツアイ ワールドシリーズ(2006/日)

宮藤官九郎と磯Pなりの、決着のつけ方。
ホッチkiss

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







◆TVドラマシリーズ観てない者は置いてけぼりだとか、ストーリーが荒唐無稽だとか、んなこたぁこの際どうでもいい。どうせ「それでいい」ってヤツしか観ないだろうし。

◆例えば、「イージーライダー」に登場するバイクは、米国人が固執する”自由”というものの残留思念であるが、このシリーズのぶっさんは、いわば”青春”を象徴する存在。無責任さと永遠に続く学園祭の前日気分を表す結晶体。そんなぶっさんの死に、正面から「ばいばい」ということで、いつまでもお祭り気分でいられない、オトナとして日常を生きていくことを決意表明する映画だったのだ。

◆この映画を作る動機として製作者は、もちろん商業的意味もあっただろうが、TVシリーズと、映画版前作をもってしてもキチンとしたケジメをつけられなかったと感じていたのだろうと思う。たしかにぶっさんの死という設定が、キャッツ世界全体にどんな意味があったのか、いまいち判然としないように自分自身思っていた。今作を観て、合点が行った。なるほどそういうことだったのか、とね。ただ、クドカンの脚本の面白さというのは、そんな”さらば青春”だとか、”権利と義務”みたいな一般的な映画が掲げるようなテーマを超越した、狂騒的なところになかっただろうかと。そういう面ではちと物足りなさが残る。

(評価:★4)

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