[コメント] 交渉人(1998/米=独)
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TVのドキュメンタリーで本物の交渉人の仕事を見ました。女性の交渉人で、銀行に人質と立て籠もった男を電話ごしに長時間なだめる様子を当時の生テープと画像で紹介していたのですが、母親のようになだめながらも最後は裏切らなければならず、交渉人という仕事の辛さがよく判りました。
冒頭でサミュエルの仕事ぶりを描いていたけど、交渉人は卑劣な犯人とどうにかして接点を持ち、会話を通して相手の心を開かせるのが仕事であるからして、どうしても親しみと共感を込めて話しかけなければいけない。それは100%演技なのだけど、ときには長時間も犯人と今までの人生や悩みなどを親友のように語りかけ、また聞いてやらなければいけないので、本来の目的=犯人の逮捕を迎えたときには複雑な気分になると思う。今回は射殺された訳で、サミュエルが死んだ犯人に銃口を向ける手が震えていたのが印象的だった。
しかし少し残念なのはそういう交渉人の辛い仕事ぶりは今回あまり描かれておらず、もし交渉人が事件に巻き込まれたら…という内容でした。
でも2人の演技合戦としては最高の舞台で、とくにサミュエルより露出場面の少ないケビンが、静かな押さえた演技で強く印象に残ったので、★+1。2人の「友情のため」じゃなく、ただ「プロとして仕事をするため、正義を通すため」という乾いた関係とラストも良かった。あとJ・T・ウォルシュ(確か亡くなりましたよね?間違ってたらすみません)が相変わらず歪んだ曲者ぶりを好演していたのも嬉しい。
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