と思いながら観てみたら、マジで笑えるパロディになってたので大甘に★2.5。え、製作者に笑わせる意図はない？　でもそんなの企画段階から判りきった事でしょうが…18世紀の貴族社会での泥沼恋愛劇を、たかだか17、8歳の若造どもにやらせておいて「かくし芸大会」にならない訳がない。観てるこっちの方が気恥ずかしくなるような。

　もっと昔の映画化は未見だけど、88年版のマルコヴィッチはそりゃエロかったもんだ。そしてグレン・クローズはそりゃ怖かった。「男を知らない修道院上がりの女の子を落とすなんて、赤子の手をひねるようなもの」と、まだ若いユマ・サーマンにネットリ迫る様ときたら…。でもこの映画じゃみんな歳変わらないでしょ。いくら相手の経験が浅いからって、お前もどれほどのもんじゃいって思うね。こっちから見りゃ君も立派なガキよ。致命的に色気が無いんだよ、ライアン君。

　でもサラは頑張ってた。クローズの凄みには到底およばないものの、このまま歳をとればクローズの演じた悪女みたいになれるかも…ぐらいには頑張ってた。何より根性悪の悪女を愉しんで演じてるのが伝わってきて頼もしい。あとセルマ・ブレアは使える。こういうみっともない役を立派に演じきれる若い女優さんは貴重だ。

　それにしても処女だとか何だとか対面を気にする名門校という無理めな設定の映画とはうらはらに、舞台裏では共演してすぐにＨして子供できて結婚しちゃった、当時アイドルとして人気上昇中だったライアンとリース。でも誰も気にしない。今どきそんなもんだって。

　結局アイドル人気で儲けようと考え無し・野心無しな企画立てた製作者に★２。でもそんなアホな大人たちのよこしまな期待をチャンスと捉えて応えてみせたサラとセルマの好演には★３。