[コメント] スター誕生(1976/米)
70年代もバーブラも好きじゃないのに、パワフルな彼女の歌に引っ張られるように、グイグイのめりこんだ。オリジナルは未見だが、この時代にバーブラでリメイクしてくれた事に感謝!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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※『カイロの紫のバラ』のネタバレもあるかもしれません。
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『カイロの紫のバラ』のラスト、ミア・ファローの泣き顔がどんどん微笑みになっていくシーンが大好きで、あれは女優として最高に素晴らしい表情の演技だと思う。
本作のラスト、恋人に死なれたバーブラが悲しいラブソングを静かに歌い出す。映画の観客も彼女と一緒に哀しみに沈んでいる。そしてそのまま静かに幕が降りると思っていた。
でもバーブラの哀しい歌声は次第に力を帯びてくる。激しいエネルギーがその身体を突き動かし、抑えきれずに喉から吹き出してくる。驚く観客の目の前で、彼女はどんどん力強く輝いていく。歌うことで彼女のなかに生きる力が蘇っていくのが見ていてもわかる。
そして魂をふりしぼるような絶唱で幕が閉じる。予想を裏切る展開に観客が圧倒されたまま。
あの歌声に文字どおり震えた。鳥肌が立った。でもただの技巧にではなく、ヒロインの生きるパワーに圧倒された。バーブラは「演技の出来る歌手」じゃなくて、歌で演技できる人なのだと初めてそのすごさを実感した。
ミア・ファローが女優として表情で演じたように、バーブラは歌で見事にヒロインの心を表現したのだ。どん底に沈んだ人間が、再び生きる力で輝き出す、あんな本物にしか見えない理屈抜きの一瞬を観れて本当に良かったと、彼女主演でリメイクしてくれた製作者たちに感謝の念すら浮かんだ。
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