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[コメント] カメラを止めるな!(2017/日)

違和感ギリギリを攻める構成に脱帽。

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とにかくよく出来た映画。他の方も言及しているが、三谷幸喜作品と内田けんじ作品のいいとこ取りのような印象の映画といえるだろうか。ただ、三谷作品がしばしば「笑えるでしょドヤ」感が出すぎ、内田作品がしばしば「凝った脚本でしょドヤ」が出すぎなのに対し、この作品は非常に自然体で鼻につくところがない。ほどよく肩の力が抜けているという印象を受けた。

この映画は、序盤はフェイクドキュメンタリー調のゾンビ映画として進行していく。気付いてみればワンカットが長いなと思っていたら、そのままラストまで40分近くワンカットで、それが多少のチープさを打ち消すほどの高い臨場感と勢いを生んでいる。「もしかして私もゾンビ化したかも」などの、ゾンビ映画としてのお約束ごともちゃっかり忘れない。

その中に「あれ?」と違和感を覚えるポイントがいくつも仕掛けられており、それが後半で笑いに繋がる伏線として効いてくるわけだが、この匙加減が非常に上手い。今の変な間はなんだ? あの人はなんで黙って座ってるんだ? そもそも誰が撮影してるんだ? などなど、確かに変ではあるけどホラーって案外こんなもんかなあ、とスルーしそうなギリギリの線で留められている。もしあと少しでもやりすぎていたら、この時点でただのコントになって白けてしまっただろう。(さすがに「こんなところに斧がある、ツイてるわ」といういきなり説明的な独り言には笑ってしまったが)

ただあえて難を言えば、ゾンビ映画パートのテンションが高かった反動か、中間の日常パートがやや間延びして感じられてしまったところだろうか。とはいえ、登場人物が意外に多い中、少ないセリフでそれぞれのキャラの個性を出すのが巧く、感情移入の度合いは高かった。撮影パートになってからは私も場内も爆笑の連続だった。

今は何やら場外戦で少しモメているらしく残念だが、多くの人に見てもらいたい快作。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)まー[*] けにろん[*]

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