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エピキュリアンさんのコメント: 投票数順

★5パリ、テキサス(1984/独=仏)よく、あんな結末の出逢いを考えたなあ。あのシーンは、なぜか分からないけど、何度みても、涙が止まらなくなってしまう。あの部屋の構造そのものが、ふたりのエゴのありかた、世界の見方なのかな。しかも、その大きな喪失を受け入れるんだよね。ハリーDスタントン、最高![投票(15)]
★4シザーハンズ(1990/米)きれいで清潔だけど個性がまったくない住宅街と、汚くてぼろぼろだけど血が通った感じの城。その中で、個性=才能=アーティストに対する、大衆の気まぐれで自分勝手な歓迎と嫌悪、選民意識が図式的に描かれる。図式的でご都合主義も散見するけど、でもこの作品が心に響くのは、すべてがシャイだからだと思う。[投票(11)]
★4愛のコリーダ(1976/日=仏)同じ相手とするセックスって、するたびに、少しづつ変わってゆく。その果てに起こった一つの事件を素材に、映画でその変化を考えたかったんだろうなあ。それは演出では絶対できないから、実際にふたりにし続けてもらったのだと思う。実際、ふたりの顔や態度は驚くほど変化している。とくに女優の変質が凄い。[投票(11)]
★5ゴーストワールド(2000/米)感受性が鋭くて何でも判ってしまう人は、その分、世間との距離感や自分自身との調和に苦労する。とくに若いときは、それは地獄だ。その全能感と自己嫌悪の間を激しく行き来してぼろぼろになる。それでも日々、なんとか自分なりのおしゃれを絶やさないイーニドは愛おしい。が、それにもまして、こういう映画にお金を出す人がいる社会って、羨ましいぜ。[投票(10)]
★4花様年華(2000/仏=香港)ウォン・カーワイ監督は言葉の人だと思う。いくつかの決め台詞のために、役者も物語も画も音も編集もすべてがある。だから、彼の映画はつねにコラージュで、登場人物に俯瞰的な視点はない。物語がないと安心できない人には苦痛かもしれないけど、彼のそんな、刹那な美しさが私は好きです。[投票(10)]
★1踊る大捜査線 THE MOVIE(1998/日)脚本や俳優を重んじて、それがよければ、撮影、演出、編集などは付け足し、って思ってる最近の日本のテレビドラマ製作陣の弱点がすべて出た、って感じの映画だと思いました。だって、その肝心な脚本は練ってないし、俳優は基礎的な演技さえできないのだから。娯楽をなめんなよ。[投票(10)]
★5理由なき反抗(1955/米)警察署のイスに座っているディーンに注目。あんな身体のもどかしげな動かし方、天才だと思った。親との口論は、いまもそのまま通用するだろうし。グリフィス天文台の使い方も、もう一生忘れない。ニコラス・レイの演出のすごさとディーンの演技を堪能できる「靴下」![投票(10)]
★5天国と地獄(1963/日)よく、あんなロケーションみつけたなあ、と思う。あのモダンな家と、眼下のスラム。その世界の構成が、もうすべてを表しているって感じ。なんか、横浜っぽいなあ、と感じるのは、私だけか。こういう大きな空間を、ぱっと作ってしまうところに、脱帽。[投票(10)]
★4ローズマリーの赤ちゃん(1968/米)恐怖の表現が、天才的。っていうか、彼にとっては、それは技巧ではなくて、自然なことだったような気がする。小さい頃から何度も夢で見て、よーく知ってる世界、って感じ。[投票(9)]
★4その男、凶暴につき(1989/日)流れ弾にあたる通行人、屋上からぶらり下がりナイフで切られる指、真っ白なやくざのオフィス、歩き続ける男、痛みや恐怖に麻痺した表情。そして、路上生活者の顔のアップから中学生の部屋までのすばらしいオープニング。一生忘れられないシーンがいっぱいある。[投票(9)]
★4スモーク(1995/日=米)正直なのはちんぴらだけ。でも悪意だけど。あとは、じつに多彩な嘘。嘘についての映画ですね。ほとんど嘘の博覧会。でも、人生にはそれが必要なんですね。必要悪であり、かつ、人との間に必要に応じて距離=煙幕をおくもの。そういう嘘の象徴としてたばこや葉巻の煙があり、それが「許し」になってる。[投票(8)]
★5太陽を盗んだ男(1979/日)この映画を観ると、ほかの多くの日本映画が、監督不在というか、撮影、照明、アクション、役者それぞれが勝手にばらばらに仕事してるのを感じる。面白さと深さと楽しさが一個になるには、監督がすべてをコントロールしないといかん、と長谷川さん言ってる気がする。世界から観るとそんなの当たり前だけどね。[投票(8)]
★5キャスト・アウェイ(2000/米)ものすごく落差のある時間と空間が、くっついているこの映画の構造が、好きです。出張とかで半日前まで西海岸にいた自分を東京でおもう不条理感、というか、昔の思い出と今の自分がつながらないのに同一性がある不思議、とか・・・。人生の振幅を、もろに体験できた。[投票(8)]
★2GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995/日)猥雑、細部偏愛、パラレル感、メカへの湿度が高いフェチズムなど、士郎正宗ならではのスタイルが跡形もないので、たんに「アイディア」を説明されているとしか思えなかった。[投票(8)]
★5ハイ・フィデリティ(2000/米)男の心理を、原音忠実再生=ハイ・フィディリティ、って感じかな。ここまで、男の(勘違いや自分へのごまかしもふくめて)心理を子細に描き出した映画って、あまりない気がする。自分で思う自分と人から見た自分の忠実度の面白さかな。笑いながらちょっと痛い、という感じ。[投票(7)]
★4恐怖のメロディ(1971/米)初監督作品なのに、サスペンスにムダがない。イーストウッドの演出って、演出、ライティング、カメラ、編集などが、ほとんど透明(観るものが気がつかない)になるほど、巧みだとおもいます。それが、第一回作品から、もう、はっきり分かる。映画が身体の一部になってる感じ。[投票(7)]
★5あの夏、いちばん静かな海。(1991/日)映像だけで物語を語る、っていう映画の基本を鮮やかなラブストーリーにした傑作。北野武という監督が、見る人の「眼」を信頼しているのが伝わってきて、涙が出そうになる。防波堤から自転車が落ちるとこ、大好き。[投票(7)]
★52001年宇宙の旅(1968/米=英)中学生の時に映画館で観て、あまりの出来事に立てなくなり、もう一度そのまま観て、それでもすべては理解できないけどこれは何か大変なことなんだ、と思いつつ帰り道に財布を落とした。それいらい、50回以上は観てます。[投票(7)]
★521グラム(2003/米)素晴らしい編集!。後悔も絶望も信仰も、当人の心の中ではそれぞれ「してしまった事」や「起きてしまった事」など過去の反芻や回想やフラッシュバックだったりする。それをこの編集は見事に再現していて、観客に追体験させる。「取り返しがつかない出来事」と人生の関係を『アモーレス・ペロス』では理念的に描き、この作品では体験として描いてくれた。[投票(6)]
★4黒猫・白猫(1998/独=仏=ユーゴスラビア)「ムジカ!」って入院してた爺さんが叫ぶところが好き。例によって清濁併せ呑むっていうか、原因と結果は判定不能というか、そういうカオスが人生だぜベイビー、っていう楽観と諦念のマグマに振り回されて、うっとりと疲労感を楽しみました。ポルカってアフタービートだもんね、こりゃ腰が動いちゃうぜ。[投票(6)]