物凄い迫力だった。娯楽として素直に楽しめた。５点じゃないのも、別に日本版云々は関係ない視点での事。

　日本版ゴジラとは明らかに違うものだと思う。日本版ゴジラは“ゴジラ”という絶対的存在を“特撮”によって生み出したパイオニアとして素晴らしいと思う。だが、米版ゴジラはそれをよりリアルに娯楽映画として完成されたものにした。パクッて本家より劣るなら腹も立つが、超えているのなら何も言う事はない。

　もちろん商業的な意味合いもあるんだろうと思うが“ゴジラ”という名はちゃんと受け継がれている（もっともゴジラなんて名の竜は日本の神話には出てこないけど）。そういう意味では敬意も払っていると思う。比較して見るなんてナンセンスだと思う。

　とにかくマンハッタンを闊歩するゴジラの姿は圧巻。でかいっ。でかすぎる。でかいのに敏捷！　泳ぐわ、弾よけるわ、凶暴だわ、オスだけで繁殖できるわ、この手のバケモンにしてはかなり上出来だと思う。

　女の研究家の存在はまったく必要ないし、オニール軍曹の描き方が薄いので、後半、重要な役割を果たしても「この人だれだ？　こんな頭切れる人いたか？」となってしまう。主人公はじめキャラクターにあまり魅力を感じられない。また、ただ“殺してヤッタネ”じゃなくて、核実験によって望まれずして生まれた悲しい存在なのだから死んだ時、主人公がその辺をつっついたら、ストーリーとしてはもうちょっと締まったと思う。これが４点の理由。